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認定心理士になるには

更新日:2017/05/23

認定心理士とは

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認定心理士とは、「大学において心理学に関する最小限の標準的な基礎知識と基礎技能を修得している」ことを証明する、公益社団法人日本心理学会(以下、「日本心理学会」という)認定の民間資格です。

大学において、「心理学」という学問が複数の学問分野に関わる、すなわち学際性が高いことから、直接的な名称は使われていない場合でも、実際には「心理学」に関連した学部・学科であるということも多い昨今。そこで活きてくるのが「認定心理士」です。

認定心理士は、日本心理学会指定の様式で同学会に申請を行い、審査の上合否が決定されます。よって、資格試験などはなく、認定要件を満たしていれば得ることのできる資格です。「臨床心理士」のように大学院卒業を要件とし、資格試験により取得する資格ではありませんし、「職能資格」でもありません。あくまでも「心理学の基礎資格」として位置づけられています。

しかしながら資格を持っていることは、自分の自信にも周囲の人々からの信頼にもつながります。メンタルヘルスが注目される中、需要が高まっている心理関連の仕事はもちろん、人と関わる仕事、ボランティア活動など、資格を持っていることで活躍の場も広がるでしょう。

認定心理士になるには

「認定心理士」は、あくまで「心理学の基礎資格」。職業ではありませんので、ここで「なる」というのは、「資格を取得するには」という話になりますが、先ほどもお伝えしたようにこの資格を取得するための試験はありません。日本心理学会への申請、そして審査を経て取得できる資格です。申請にあたっては、以下3通りの方法があります。

A. 認定申請(大学卒業後の申請)
4年生大学卒業後、在学期間中に修得した単位を所定の様式にて申請
※卒業の時期に関係なく申請可能(卒業後数年が経過していても可)
B. 仮認定申請(大学卒業前の申請)
大学在学中に、すでに修得済みの単位を申請することができるが、併せて成績証明書と卒業見込証明書の提出が必要
※卒業後、卒業証明書を提出し正規の認定を受ける
C. 日本心理学会会員の優遇措置 学会に5年以上連続で在籍し、本務校で教員をしている方も申請が可能

申請後から認定証授与までは、以下のようなステップとなります。

1、申請書類提出・審査料10,000円を振込

2、日本心理学会による審査

3、認定の審査結果通知

4、認定料振り込み 30,000円

5、認定証・IDカード受領

一度取得してしまえば更新の必要がないというのも、この資格の特徴です。 また、卒業から年月が経過している場合でも、要件を満たしていれば資格の申請が可能です。

それでは、前述のA.とB.の方が、認定を受けるために必要な要件について、次の項で解説していきましょう。

認定心理士の資格認定条件とは

資格認定にあたっては、まず以下の条件を満たしていることが必要となります。

1、16歳以降通算2年以上日本国に滞在した経験を有する者。
2、学校教育法により定められた大学、または大学院における心理学専攻または心理学関連専攻の学科において、規定の科目を履修し、必要単位を修得し、卒業または修了している者。またはそれと同等以上の学力を有すると認められた者。

では、認定に必要な単位数について解説していきましょう。 まずは、「基礎科目」と「選択科目」という2つの科目分類の中で、さらに各領域に分類、認定に必要な単位数が決められています。

・基礎科目(2領域)
a.心理学概論 4単位以上
b.心理学研究法 + c.心理学実験実習 合計で8単位以上(うちc.は4単位以上)

・選択科目(5領域)
  d.知覚心理学・学習心理学
  e.生理心理学・比較心理学
  f.教育心理学・発達心理学
  g.臨床心理学・人格心理学
  h.社会心理学・産業心理学
以上5領域のうち3領域以上で、それぞれが少なくとも4単位以上、合計16単位以上。

・その他の科目
a〜hの各領域には、該当科目の例が「基礎主題」と「副次主題」という2つの枠組みで示されています。

・「基本主題」は、修得単位がそのまま単位数に数えられる「必修的知識または技術」に値する科目
・「副次主題」は、「基本主題」としては認められないものの、条件緩和のもと、修得単位の2分の1が単位数として認められる科目

選択科目で必須の3領域4単位以上という条件については、「各領域で基本主題を含む」という条件が含まれます。

各領域の必要単位数の他、「その他の科目」または、a〜hの任意の科目で充当し、「合計36単位以上を修得」していることがこの資格の認定条件となります。

※上記は、2014年4月1日に改定された新基準です。それ以前の単位については、内訳などが一部異なっています。移行措置として2019年3月31日までの申請については、旧基準での申請が可能です。

各領域に含まれる科目例など、詳しくはこちら(日本心理学会ホームページ)

認定心理士の活躍の場

「心理学の基礎資格」ということもあり、認定心理士だけで心理職に就くのは難しいというのが正直なところです。しかしながら、「メンタルヘルス」が注目される中、心理系知識および技能に対する需要が高まっていることは事実です。それゆえにこの資格を生かしながら働く場所、「認定心理士有資格者」に対する求人というのが無いわけではありません。

「認定心理士」が直結する仕事で言うと、比較的多いのが福祉系。例えば、児童養護施設や福祉施設などです。もちろんそこには児童指導員や保育士などもいますから、その方々と連携しながら心理に関する知識・技能を生かして児童の世話の支援活動をしたり、母子生活者の生活相談や育児支援をしたりということもできるでしょう。

そういったところで経験を積んで、さらに上位資格にチャレンジするもよし、「認定心理士」を最終地点とせず、将来への足がかりとして考えてみるのもひとつだと思います。

また、見方を変えて考えてみれば、一般企業であっても、資格を有していることが強みとなることがあるはずです。例えばマーケティングや営業といったコミュニケーション能力や交渉術を必要不可欠とする部門への就職活動の際、履歴書の「学部名」だけではわからなくとも、資格として「認定心理士」ということがあれば、心理学の知識と能力があるということが伝わり、一目置かれることもあるでしょう。「試験がなく申請するだけで得られ、自分が身につけた知識と能力を証明することができる資格」、これを最大限に生かして活用しない手はないはずです。

まとめ

学部や学科名では伝わらない、でも自分自身が「心理学」を学び、その知識と能力を身につけたという事実を証明することのできる資格、「認定心理士」。心理学の基礎資格ではありますが、心理職を目指す通過点として、また就職や転職時の強みとして、生かす道はいくらでもあるはずです。一度申請をして取得してしまえば、更新の必要もありません。大学で心理学を学んだ経験のある方、在学中で今現在学んでいる方も、今一度、単位を修得している科目を見直して、該当するか否か調べてみてはいかがでしょう。すでに「認定心理士」になりうる資格を得ているかもしれませんよ。

そして、心理職を目指す方にとって、「認定心理士」はあくまでも通過点。「心理職」と言っても、その道は多種多様です。「どんな方々の手助けをしたいのか」「どのようなところで仕事をしたいのか」、そんなことを改めて考え、さらなるステップアップの道を目指してみてはいかがでしょうか。