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ストレスチェック制度について。心理職の役割は?

更新日:2017/05/23

ストレスチェック制度の概要

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厚生労働省は、労働安全衛生法に基づく「ストレスチェック制度」を2015年12月から実施することを発表しました。

ストレスチェックとは、メンタルヘルス不調を未然に防ぐ目的で、ストレスに関するアンケートのようなものを労働者に回答してもらい、それぞれのストレス状態を把握することを指します。 また、回答結果を分析し、高ストレスと判断された労働者で本人から申出があれば、面接指導を実施します。

ストレスチェック制度では、事業者に対してストレスチェックを年に1回実施することを定めており、従業員が50人以上の事業者には報告義務があります。

各事業者は、まずストレスチェック制度の実施方法等について検討して、実施方法等を規程として定める必要があります。

対象事業者は?

今回のストレスチェック制度は、「常時使用する労働者が50人以上」の事業場が義務対象となります。常時使用するというところがポイントで、アルバイトやパートでも継続して雇用している場合ではカウントに入ります。
※契約期間が1年未満の場合や、短時間労働者の一部は義務の対象外になるなど、細かいルールもあります。

従業員数50人未満の事業場では、今のところ努力義務にとどまるので、報告義務はありません。ただし、実施する場合は、法令に基づく内容で実施する必要があり、小規模事業場向けの助成金制度などもあります。

実施者とは?

ストレスチェックは、医師、保健師、看護師、精神保健福祉士などの厚生労働省が定めて基準を満たす方が実施する必要があります。事業者は医師などの実施者に対して依頼をする必要があります。

結果の通知や、面接指導などのフォローも医師などの役割ですが、面接指導については、産業カウンセラーや臨床心理士などの心理職の方も実施することが可能です。

ストレスチェック制度における心理職の役割

先述の通り、医師などの免許がないと、ストレスチェックの実施はできませんので、産業カウンセラーや臨床心理士など心理系の資格を持っているだけでは出番がないかのように思われます。しかし、厚生労働省による、ストレスチェック指針を見ると、心理職に関する記述がいくつかあります。各シチュエーションにおいて心理職の活躍の場はありそうです。

・高ストレス者の選定方法

実施者による具体的な高ストレス者の選定は、上記の選定基準のみで選定する方法のほか、選定基準に加えて補足的に実施者又は実施者の指名及び指示のもとにその他の医師、保健師、看護師若しくは精神保健福祉士又は産業カウンセラー若しくは臨床心理士等の心理職が労働者に面談を行いその結果を参考として選定する方法も考えられる。この場合、当該面談は、法第 66 条の 10 第1項の規定によるストレスチェックの実施の一環として位置付けられる。
厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」 p136 より

・相談対応について

気軽に保健師、看護師、精神保健福祉士や産業カウンセラー、臨床心理士等の心理職等に相談できる窓口を用意し、高ストレス者が放置されないよう取り組むことが大切です。
厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」 p61 より

・集団ごとの集計・分析結果に基づく職場環境の改善

事業者は、ストレスチェック結果の集団ごとの集計・分析結果に基づき適切な措置を講ずるに当たって、実施者又は実施者と連携したその他の医師、保健師、看護師若しくは精神保健福祉士又は産業カウンセラー若しくは臨床心理士等の心理職から、措置に関する意見を聴き、又は助言を受けることが望ましい。
厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」 p83 より

引用:労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル

ストレスチェック制度を有効に活用するには

ストレスチェックが義務化されましたが、まだスタートしたばかりで企業側もうまく活用する方法を模索している段階のようです。 大きな課題は、導入後のフォロー体制です。大手企業を中心にストレスチェックを導入したものの、社員の受検率が低かったり、受検により高ストレス者と診断され、医師面接の必要判定がでても、実際に医師面接をする申し出がなかったりするようです。制度自体の認知が広まっていない可能性も指摘されています。導入をするだけでなく、制度の目的やメリットをしっかりと提示する姿勢が求められるでしょう。

そもそも社員からしたら、医師面接をするためには、会社側に「私は高ストレス者です」と申告しないといけないわけ(受検結果自体は、会社に知られません)で、会社の空気感によってはなかなかやりづらいのではないでしょうか。 会社として、この制度を「義務だからやる」のではなく、「有効に使いたい」という意思表示を社員に徹底して周知させることで、うまく活用する道が開けるのではないでしょうか。

医師面接の申し出だけでなく、ストレスチェックを受けることについて、社員に不利益がないように、また不利益があるかもと思われないように注意したいところです。

ストレスチェック制度に関する厚生労働省関連のページ

詳しい内容は、厚生労働省のHPなどを参考にするのがよいでしょう。