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現代人が陥りやすいペットロス症候群について

更新日: 2018/04/04

メディアでも取り上げられるようになった「ペットロス」

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近頃は多くの人が愛犬や愛猫と共に生活をしていますよね。犬や猫などの動物と一緒に暮らすことができる賃貸物件も急増し、私たちにとってペットはとても身近な存在になってきています。そして動物と一緒に過ごすことが、どれだけ私たち人間の深い癒しに繋がるのかも実証されています。

その反面、近年は「ペットロス」についても大いに注目されています。ペットロスとはその言葉の通り、ペットを失うということです。ペットロス症候群とも言いますが、ペットと死別したり、ペットが突然行方不明になってしまうことにより、深い悲しみに襲われたり、うつ状態に陥ってしまったり、喪失感から普段通りに日常生活を送ることが困難になってしまうこともあるのです。

ペットロス症候群については、テレビや雑誌でも「愛犬の死を乗り越えるために気をつけること」など特集も組まれるようになりました。それぐらい私たちにとっては、誰しもが陥りやすい症候群でもあると言えるでしょう。我が子のようにペットを愛し、家族と同じように接して過ごしている人も多いので、決して珍しいことではないのです。

また死んでしまったペットに対して罪悪感を抱くケースも多くあります。

「あの時もっと早くに病院に連れていってれば」
「延命治療をしたけれど辛くしんどい思いをさせてしまったのではないか」


など、心が罪悪感でいっぱいになり自分を責めてしまう場合もあります。 そして深い悲しみや喪失感から抜け出すことができずに重症化してしまい、精神疾患を患ったり、心身ともに不調を訴える人も多くいるようです。
ではペットロス症候群に陥らないためには、一体どのような心がけが大切か考えてみたいと思います。

ペットロスに陥ったときの心の動きを考えてみよう

喪失感のプロセス、悲しみのプロセスの心の動きについて、ドイツの精神科医であるエリザベス・キューブラー・ロス博士が発表した「悲しみの5段階」という理論があります。これは、悲しみの底から心がどう回復していくかの過程を表しています。否認から始まり、怒り、交渉、抑うつ、受容といった流れになると言われています。このプロセスを辿ることができれば、ペットロス症候群から立ち直ることができるかもしれません。

詳しく説明すると、「否認」とはペットが死んだことを受け入れることができず、死んでしまったことを認めない心の動きを指します。ペットが使っていたおもちゃやゲージを片付けることができなかったり、火葬することを拒否したり、どこかにまだ生きているのではないかと考えてしまう状態のことです。

二番目には「怒り」のプロセスがやってきます。獣医師に対して、「もっと適切な処置をしてくれていれば助かったのかもしれないのに!」と怒りを向けることもあります。また他の家族にもっとペットを大事にしてくれれば助かったのかもしれないのに、と怒りが湧いてくることもあるようです。もちろん自分自身に対しても怒りを感じやすくなります。「どうしてもっと一緒に遊んであげなかったんだろう!」「私がもっと気にかけてあげれば病気にならなかったのではないか」など、ペットが死んでしまったことを他人のせいにしたり自分のせいにしてしまう状態に陥ります。

三番目に「交渉」のプロセスに入ります。交渉とは、悲しみを乗り越えるために神様に願掛けするような状態のことです。「あの子にもう一度会えるのなら、私はなんだってします」とお祈りしたり、スピリチュアルに没頭してしまうような時期のことです。

四番目に「抑うつ」のプロセスに入ります。抑うつとは、何もやる気にならなかったり、深い悲しみの渦に巻き込まれて抜け出せない状態のことです。何をしても楽しくなかったり、集中して物事に取り組むことができなかったり、色々なことをネガティブに考えてしまいます。ポジティブに考えようと思っても、すぐにその思いは消し去られ、軽いうつ状態のように鬱々と気分が沈んでいきます。

最後の段階になりますが、五番目に「受容」のプロセスがやってきます。少しずつペットがいなくなってしまったことを受け入れられるようになるのです。もちろんまだ悲しみは残りますが、絶望感はだいぶ薄れている状態です。「今頃天国で楽しく動き回っているかな」「空の上から私たち家族を見守ってくれているかな」と考えられるようになります。ポジティブな感情も少しずつ感じられるようになり、楽しさや嬉しさといった感情も戻ってきて、通常の日常生活が送りやすくなるのです。
このようなプロセスを辿っているとき、特に怒りや抑うつ状態のプロセスの最中は苦しいものもありますが、必ず心は回復していきます。またこのようなプロセスが訪れることを知っていれば、必要以上に感情に振り回されることを少ないでしょう。ただ全員がこのプロセスを通過していくとは限りません。

ペットと生前にどのように関わっていたのかでも状況は異なるものだと感じます。ある程度の時間を要してこのプロセスを通過する人もいれば、「否認」の段階で時間が止まったままの人もいると思います。

大切なペットを失った喪失感や深い悲しみから抜け出すためには、無理矢理元気をだそうとするのではなく自分の心のままに感情を感じていくことが大事ではないでしょうか。

ペットロス症候群から立ち直るために

心理カウンセラーとして活動する中でも、ペットロスについてご相談を伺う案件も増えてきました。誰かに自分の悲しみや喪失感をシェアする、ということは思った以上に大事なものです。誰かに話すことで、自分の本音に気づくこともあります。話すことで、気分が晴れることもあるでしょう。

大切なのは、悲しみや喪失感や罪悪感を自分の中にだけ閉まっておかないことです。家族や友人・知人に自分の気持ちを打ち明けるといったことがあまりできない状況であれば、心理カウンセラーを頼ってみるのは良い方法の一つかもしれません。

自分の気持ちを抑圧してしまうのではなく、泣きたいときは思いっきり涙が枯れるくらい泣くてしまうのも良いことです。我慢をしないことが何よりも大切です。 また、ペットロス症候群に陥ってしまった人の経験に触れることも良いでしょう。今はインターネットで検索すれば、ペットロスの深い悲しみから立ち直った人のブログや経験談が沢山見つかります。自分だけではない、という安心感につながったり、いつか自分も悲しみを乗り越えることができるのではないかという希望につながることもあります。

そしてある調査によると、ペットロス症候群から立ち直るためには新しいペットを飼うことが良いという結果も出ているようです。新しいペットを飼うことで、深い悲しみや喪失感が早くに和らぎ元気を取り戻す人も多いのです。

しかし、愛するペットが死んだ直後に新しいペットを飼うことを考えられる人は少ないのではないでしょうか。無理矢理新しいペットを飼ってしまっても、生きていた頃のペットを思い出してしまい余計にペットロス症候群をこじらせてしまうといったケースもあるようです。そのためタイミングは充分に見計らって、新しいペットを飼うのがベストだと言えるでしょう。

ペットロス症候群は現代人にとってみれば至って身近にあるものです。ペットロスに陥ってしまうことは全く恥ずかしいことでも変なことでもありません。ですので、もしペットロスになってしまったときは、必要以上に自分を責めない心をもつことを心がけることが大切です。