心理資格ナビ
ゼロからスタート!心理カウンセラーを目指す方へ ゼロからスタート!心理カウンセラーを目指す方へ

妥協ができない完璧主義の心理とは

更新日: 2018/09/21

現代人に多い完璧主義について

イメージ

「仕事では一切妥協ができなくて、いつも頑張りすぎてしまいます」

「いつも0か100か、白か黒かで物事を考えてしまいます」

「人からの評価を気にするので、人前では何でも完璧にこなそうとしてしまいます」

このようなご相談は、カウンセリングでもよくお伺いします。いわゆる、完璧主義者の人たちです。自覚があってもなくても、完璧主義に陥ってしまっている人は、現代人に多いと感じています。何でも完璧にやり過ごそうと頑張ってしまうために、過剰な疲労やストレスが溜まってしまい、燃え尽きる寸前でカウンセリングにいらっしゃる方もいます。または、人間関係がうまくいかずに、いつも人とトラブルを起こしてしまうという問題の根底にも、完璧主義が隠れている場合も多いものです。

ある研究結果では、うつ病などの精神疾患にかかりやすい人は完璧主義者が多いという結論を出しています。完璧主義者は、一見周りからは「何でもこなせる素晴らしい人」と評価を受けていることも少なくありませんが、当の本人の頭や心の中はいつも忙しく、心底リラックスすることはありません。よって心身ともに不調になっていく場合も多いのです。

完璧主義とは、妥協をすることをせず、どんなことも常に完璧な状態を目指すことを指しています。自分に厳しい自己評価を課し、他人の評価をとても気にする傾向もみられます。 では、この完璧主義、何が原因で完璧主義者になるのか、具体的に一体どのようなデメリットがあるのか、またどのように改善していけば良いのか考えてみたいと思います。

完璧主義になる原因とデメリット

完璧主義者の多くは、とても自分に厳しい人が多いものです。

例えば仕事で、とあるプロジェクトを完璧にこなし、上司や同僚に良い評価をされた、賞賛されたとしても「次も完璧にこなさなければならない」という気持ちを抱きやすいのです。
完璧にこなすことに終わりがなく、ずっとエンドレスに続いてしまいます。しかし、人間ですから、失敗やミスは付き物ですよね。失敗やミスが全くない人はきっとこの世には存在しないのですが、少しでも失敗やミスをすると、とても強く自分を責めたり、後悔をします。例え完璧にこなしたとしても、「次はもっと完璧にして、もっとより良い結果を出さなければならない」自分に厳しい評価を下し、失敗やミスをしたら、「だから自分はダメだ。何もできない奴だと思われてしまう」と自分を責め、とにかくいつも自分に厳しいのです。

そして、自分に厳しい人というのは、必然的に他人に対しても厳しくなってしまいます。自分の失敗やミスを許せない人は、他人の失敗やミスも責めたり叱責する傾向にあります。責任感も人一倍強いので、妥協も許せません。他人に対しても、妥協を許さない傾向にあります。

このように他人にも完璧を求めてしまうので、一緒にいる人はとても疲れてしまうのです。すると、必然的に周りに人がいなくなっていき、孤独感を感じることも多くなっていきます。
完璧主義者の人が「人間関係でトラブルを起こしてしまう」原因は、他人に対しても完璧を求めてしまい、それが元で反感を買ったり信頼を失ってしまっているからです。

他にも、人の評価を気にしすぎてしまい、他人に振り回されてしまうデメリットも存在します。実際には「振り回されている」のではなく、自意識過剰になってしまい他人中心に行動してしまうのです。常に人の評価を気にしてしまうため、努力する目的が自分のためではなく「他人に評価されたり褒められるため」になってしまっています。すると過剰に人の目や言動を気にしてしまい、少し注意されただけでも、自分を強く責めてしまうようになるのです。

実は、完璧主義者の多くは、自分のことを欠点だらけで不完全な人間だと感じています。
だからこそ、完璧を目指してしまうのです。言い方を変えれば、欠点だらけで不完全なダメ人間だからこそ、完璧にならなければ良い人間にはなれないと感じているのです。一見、完璧主義の人は、何でもできるように見えるため、有能な人と思われがちですが、本人の根底にあるのは「自己価値の低さ」です。自己価値が低いからこそ、何でも完璧にやりすごし、他人から評価や賞賛を得ないと自分を認めることができないと心は感じているのです。

完璧主義になってしまう原因を考えてみると、その多くは幼少期の頃の親との関係性につながります。例えば、テストで95点をとった時には「何で小さなことでミスをしたんだ」と叱責され、100点をとった時にだけ褒められる。通知表で、算数以外オール5の評価をとれば「なぜ算数だけ5の評価をもらえなかったんだ」と咎められる。このように親が子どもに対して完璧を求める環境下であると、子どもはプロセスよりも結果が全てであるという思考になっていき、完璧主義になる可能性が高くなってしまうのです。「親に褒められるのは完璧にできたときだけ」だと、完璧以外は受け入れない人間にもなってしまいます。

また、親自身が完璧主義者である場合、子どもも自然と完璧主義者に育っていきます。子どもが失敗やミスをすると咎めたり叱責したり、あざ笑うような行為をすると、子どもは「失敗することはいけないこと」「失敗することは恥ずかしいこと」と認知してしまいます。失敗することに恐怖を覚えてしまうと、「絶対失敗しないために完璧にこなさなければならない」という思考が生まれ、完璧主義になっていくのです。

完璧主義はどのように改善すれば良いのか

実は、完璧主義だからこそのメリットもあります。世に出ている芸術作品や職人の仕事は、完璧中の完璧を求めたからこそ、何年も何百年も人の心を動かしているのです。完璧であるがゆえの美しさに心を惹かれる人も多いでしょう。

しかし完璧主義だからこそ疲れ果て、人間関係もうまくいかず改善したいと感じている場合は、生き方を見直してみると良いかもしれません。

完璧主義の人の多くの根底にあるのは、自己価値の低さです。「こんな自分はだめ」と感じているからこそ、完璧じゃないと受け入れないのです。自己価値を高めるためにも、自分の良いところや魅力についてもっと知る必要があります。

また、完璧主義の人は「〜するべきだ」「〜であるべきだ」という考え方をもっています。自分の中のルールがあり、それを無意識的にも人に押し付けてしまうのです。しかし、あくまでこれは「自分のルール」で、ルールは人によって異なります。「〜するべき」ではなく、「〜がしたい」「〜でありたい」という考え方を優先していきましょう。

「仕事はどんなに調子が悪くても毎日休まずに行くべきだ」というルールを守っている人は、「身体の調子が優れないときは休みたい」という気持ちを優先してください。ルールを優先するのではなく、自分の本音を優先してはいかがでしょうか。

カウンセリングを使ってみるのも良い方法の一つと言えるでしょう。幼い時の家庭環境から、認知の歪みが発生し、完璧主義になってしまっている可能性も十分にあります。幼い頃から感じていたストレスや家庭環境を他人に話すだけでも、自分の心の中が整理され、気づきや発見があるかもしれません。

完璧主義者は「人に頼る」ということも苦手だと感じている人が多いのですが、ハードルの高い他人ではなく、その道のプロであるカウンセラーからチャレンジしてみても良いかもしれませんね。