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児童福祉司になるには【任用資格】

更新日:2017/05/23

児童福祉司とは

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児童福祉司とは、ひとことで言えば「児童相談所の相談員」。児童福祉法において、児童相談所に置かなければならないと定められている「任用資格」です。

近年、子どもの数は減少傾向にあるにも関わらず、児童相談所の利用件数は増加の一途をたどっています。そんな児童相談所において、さまざまな問題を抱える児童の保護、そして実態調査および社会診断を行い、最終的に親子ともに健やかな生活を送れるよう支援・指導を行うのが「児童福祉司」の役目です。

これに対し、心理学的な知識をもとに、子どもおよび保護者の心理判断を行う他、心理療法やカウンセリングを行うのが「児童心理司」と呼ばれる職員で、児童福祉司とペアになり、協力して支援活動を行います。

保護が必要な児童を取り巻く問題は、心身障害や劣悪な家庭環境、育児放棄、虐待、非行など。現在、都道府県と政令指定都市への設置が義務づけられている「児童相談所」では、多くの児童福祉司がその支援にあたっていますが、利用件数の増加に対し、まだまだ人手が足りていない状況が続いているようです。

児童福祉司になるには

児童福祉司になるための資格試験はありません。しかしながら、児童相談所に所属する「児童福祉司」は公務員であるため、地方公務員試験に合格しなければその職に就くことはできません。また、児童福祉法に定められているいずれかの「任用資格要件」を満たしている必要があります。

任用資格要件の例
・都道府県知事の指定する児童福祉司養成校卒業
・都道府県知事の指定する講習会の課程を修了
・医師、社会福祉士、精神保健福祉士のいずれかの資格取得者
・大学または大学院(外国の大学を含む)卒で心理学等を専攻+指定施設における実務経験1年
・保健師、教員、看護師、保育士、児童指導員(各必要実務経験年数あり)+指定施設における実務経験1年+講習会受講
・大卒で指定の科目を3科目以上修了(社会福祉概論、児童福祉論、心理学、教育学など)+社会福祉主事たる資格を取得+諸条件による実務経験

児童相談所における専門職の国家資格創設へ

現在、児童相談所の職員は「児童福祉司」と「児童心理司」の他、指導担当の「児童福祉司(スーパーバイザー)」、その他精神科医師や保健師などが配属されていますが、増え続ける虐待問題に対する施策として、新たな国家資格を創設しようという動きが始まっています。

その資格が「子ども家庭専門相談員(仮称)」です。以前、「児童福祉司の国家資格化(案)」が発表されたことがありましたが、深刻化する虐待問題に策を講じるということで、さらに上位の位置づけに専門職を創設する方向で検討されているようです。「新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会」では、準備期間を経て2019年度を目途に運用を開始するとしています。現段階では「提言」としており、施行時に変更する可能性もありますが、この資格の受験資格として、「一定の基礎資格を有する者」とし、その基礎知識として「社会福祉士と精神保健福祉士」を挙げています。

現在、児童福祉司として働いている方々の内訳を見ても、大卒の実務経験者についで、「社会福祉士」の有資格者が多く、全体のおよそ30%を占めています。合格率も30%前後の難関国家試験ではありますが、心理職をはじめ福祉系の仕事に就くのであれば、「社会福祉士」はあらゆる可能性を広げてくれる資格と言えそうですね。

まとめ

ここ数年で、耳にする機会が増えた「児童相談所」や「虐待」といった言葉。「なぜ相談しなかったのか…」「通報したのになぜ…」、そんな悲しい出来事がニュースから流れる日々。しかしその裏には、なかなか耳に入ってこないけれども、児童福祉司のたゆまぬ努力の甲斐あって救われた子ども達がたくさんいることでしょう。

虐待による相談件数は、ここ十数年で7〜8倍になっているにも関わらず、児童福祉司の数は2〜3倍と推移されています。その数字からも、児童福祉司1人当たりの仕事量が増大していることは推測できます。 現在、国家資格の創設も進められていますが、深刻化する虐待問題を背景に、厚生労働省による「すべての子どもの安心と希望の実現プロジェクト」に基づく「児童相談所強化プラン」が策定されました。それによると児童福祉司については以下のように増員目標がたてられています。

○児童福祉司の増員
児童虐待発生時の迅速・的確な対応を確保するため、児童・保護者等への指導等を行う児童福祉司について、配置標準を、区域内の人口等に加え、児童虐待相談対応件数を考慮したものに見直した上、平成31年度までの4年間で、全国で550人程度増員を目指す。
【目標】
平成27年度 2,930人

平成31年度 3,480人(+550人程度)

児童福祉司については、地方公務員採用試験において、もともと「福祉職」として採用される場合と、「一般職」で採用され児童相談所に配属される場合と自治体によって差があるようですが、増員の数値目標が掲げられた今、いずれのパターンにせよ「児童福祉司」の需要が高まっている時。目指すならここ2〜3年がチャンスではないでしょうか。