自分の子どもを愛せない心理的な理由とは?

自分の子どもが愛せない心理コラム
コラム
このページの監修者
城川 光子

1985年東京生まれ。私立渋谷幕張高等学校、上智大学文学部、関西大学大学院心理学研究科心理臨床学専攻。
公認心理師・臨床心理士・産業カウンセラー試験合格。心療内科クリニックでのカウンセリング、小学校スクールカウンセラーなどの職務経験。

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「自分の子どもを愛せない」と悩むケース

昨今、児童虐待のニュースをよく目にするようになりました。とても痛ましい事件が多く、最悪の場合は子どもが死に至ってしまうケースもあります。

そこでよく騒がれるのが、
「母親のくせに何て酷いことをしたんだ」
「母親なら子どもをちゃんと愛するべきだ」

という声です。

母親に対する世間のイメージ

世間一般のイメージでは
「母親は子どもに無償の愛情を注ぐもの」
「自分を犠牲にしても子どもを優先するべき」
と考える方が多いのが実情のように感じます。

いくら女性の社会進出が目覚ましくなったとは言え、母親に対するイメージにあまり変化がないため、世間体自分の気持ちの間で苦悩してしまう母親も多いように感じています。

最初から上手に愛情を注げなくて当たり前

しかし、母親は生まれつき「母」ではありません。

母親になったからと言って、いきなり最初から上手に愛情を注げなくて当たり前なのです。

そして本当は、子どもを大切に育てたいという優しい愛情があるからこそ、「うまく愛せていないのではないか」と悩むのだと思います。

悩みを抱える人は多い

実際のカウンセリングの現場でも、
「自分の子どもを愛することができずに悩んでいる」
というご相談をお伺いすることがあります。

特に近年、急増しているようにも感じています。可愛いと思うことができずに、「私は母親失格だ」と強い罪悪感を抱き、疲弊しているケースも存在します。

では、どうして子どもを愛せないと感じるのか考えてみたいと思います。

子どもを愛せないと感じる理由

【1】自分自身を愛せない「自己否定」

子どもを愛せないと悩む母親の多くは、自分に対しての自己否定感が強いケースが目立ちます。

「自分は何をやっても駄目な人間だ」
「自分は人よりも劣っている」
「他のお母さんのように、子どもに優しくできない」

など、他者と自分を比べてコンプレックスを感じている場合があります。

「隣の芝生は青い」ということわざがありますが、その通りで、自分以外の人はみんな上手くやっているように感じてしまうのです。

自己否定が子どもに向かってしまうケース

自己否定が強いと、自分を愛することはできず、欠点やできていないところばかりに目がいきます。すると子どもに対しても必然的に厳しい目を向けてしまうこともあるでしょう。

「何であなたはできないの」
「どうせなにをやってもだめよ」

など、自分自身にいつもかけている言葉を子どもに対して発するようになったり、子どもと自分の境界線が曖昧になってしまうのです。

特に母親は、自己嫌悪を子どもに投影しやすいとも言われています。さらに自分に似ている子どもなら、自分の嫌なところを見せつけられてるようで、うまく愛せなくなってしまうのです。

【2】「完璧主義」であるほど悩みやすい

また、「完璧な理想の母親像」を自分に持っているときも、「やっぱり私は良い母親ではない」と自分を強く責めてしまうケースがあるようです。

完璧主義の人に多く見られる傾向ですが、「~すべき」「~であるべき」と言ったすべき思考を多く持っている場合があります

しかし本当は「絶対にこうするべき」という正解はありません

「~すべき」思考に陥ったときはどうすれば良い?

では、「~すべき」という思考が出てきたらどうすれば良いか。

自分の思い込みが勝手に作ったルールだと自覚できると、そこまで自己ルールに縛られなくて済むかもしれません。

すべき思考は「〜であるにこしたことはないけど、できないときもある」とゆるめていきましょう

書き出していくと自分の傾向がつかめますよ。たとえば、

・食事は手作りであるにこしたことはないけど、外食やレトルトのときもある
・いつも笑顔でいるにこしたことはないけど、できないときもある
・感情的にならないにこしたことはないけど、時にはそういうこともある

などでしょうか。

自分や子どもへの期待のハードルを下げ、「うまくいかないときもある」「しんどいときもある」と自分を許してあげましょう

先ほどの話とも関連しますが、完璧でありたいという思いは、その裏側に、自分は全然ダメだから完璧まで頑張らないと価値がないという、自己否定が隠されている場合もあります。

【3】自分が親から大切にされなかった

また、自分の親から

「愛情を注いでもらうことがあまりなかった」
「放っておかれて大事にされなかった」
「とても厳しく育てられて辛い思いをした」
「あんたは何をやってもダメとばかり言われて育った」

なども、自分の子どもを愛せない原因の一つになることがあります。

虐待の世代間連鎖

子どもを虐待してしまう親は、その人自身が自分の親から虐待をされていた、ということもあります。それを世代間連鎖といいますが、そもそも自分が愛されていないのに、さあ子どもを愛せと言われても、難しいですよね。

もし自分を愛せていない・自己否定が強いと感じている場合は、カウンセリングで自分を見つめることに取り組んでみるとベターかもしれません。

してほしかったこと、されていやだったこと、振り返るのは労力がいりますが、癒された分だけ、自分にも子どもにも優しくなれるのではないかと思います。

子育ての精神的負担

初めて母親になった人はこう思うかもしれません。

「子どもを虐待するなんて理解できないと思っていたけれど、いざ自分が母親になってみると、子どもを叩いてしまいそうで怖い…」

と。友達の子どもや、姪っ子・甥っ子を見て可愛いと思っていたとしても、やはり子育ては想像以上に色んなことが起こり、精神的負担につながります。

睡眠不足、積み重なる家事・育児、子どものわがまま…

細切れの睡眠が長期間に渡り、起きている間も家事や育児のタスクが積み重なり、さらに子どものわがままの連続に、疲弊してしまうことは多くの方に起きていることではないでしょうか。

筆者も重なる睡眠不足の中、連続して激しく泣かれ、自分も心身ともに限界になり「虐待は人ごとではなく、自分と地続きの出来事なのだ」と実感したことがあります。

心の余裕がないと、子どもをうまく愛せない悪循環になることも

子育てだけではなく、仕事や家事にも追われて、自分の時間をほとんど持てずにいる母親も多いのではないでしょうか。そもそも余裕がないと、誰かに愛情をかけるということも難しくなっていきます

「ワンオペ育児」という言葉を最近はよく耳にしますが、1人体制で24時間家事や育児に翻弄される母親も多いのが実情です。そんな中で

「心に余裕をつくりましょう」
「子どもをもっと可愛がる努力をしましょう」

と言われたとしても、「そんなの無理」「かわいいと思えない自分はダメだ」と更に追い詰められてしまい、自己嫌悪の悪循環に陥ってしまう…ということもあるでしょう。

「自分の子どもを愛せない」を感じたときの対処法

【1】まずは身近な味方に助けを求めましょう

では、「自分の子どもを愛せない」「かわいいと思えない」と感じたときはどうしたらいいでしょうか。

まずは旦那さんや祖父母など、頼れる人がいれば預かってもらい、休養や外出など自分の時間をつくりましょう

子どもを一時保育に預けて、数時間でも子どもと距離を置くのも良いでしょう

助けてもらうのは悪いことではない!

自分がつらいと思っても、まじめな人ほど

「母親だから」
「もっと大変な人はいる」
「甘えではないか」
「恥ずかしい」

などと自分に言い聞かせて、さらに頑張ってしまいがちです。そこは自分の気持ちを大切に、自分軸で行動に移しましょう。

つらいときに助けてもらうのは甘えではありません。

自分を大切にすることが、結果的には子どもや家族のためになりますので、胸を張って休みましょう

保健センター・子育て支援センターやカウンセリングの活用も

地域にある保健センターや、子育て支援センターに話を聞いてもらうのもいいですね。もちろん、カウンセラーにとことん話を聴いてもらうのも良いでしょう。

【2】心理学・カウンセリングについて学んでみる

心のケアについて知り、自分のストレスや心の不調に適切に対応するために、心理学やカウンセリングについて学んでみるのもひとつの方法です。

「自分がどんなことにストレスを感じているのか?」
「そう感じるのはなぜか?」

心について知ることで自身の苦しみを客観的にとらえやすくなり、ネガティブ思考に沈みがちなときも自分の心とうまく付き合う方法を見つけ、気持ちをコントロールしやすくなります。

また、子どもの心はまだ発達の途中にあり、自分の気持ちをうまく表現することができません。子どもの心理について学ぶことで、自分の子どもの気持ちが理解しやすくなり、成長や発達に応じた接し方についての知識も身につきます。子どもの困った行動も、心理的な理由や目的がわかれば落ち着いて対処しやすくなります。

子育て中の方でも自分のペースで学びやすい通信講座をいくつかご紹介します。

心理カウンセラーの入門講座

メンタル心理カウンセラー 資格取得講座
(受講料:28,600円 学習期間:約2ヶ月)

初心者の方でも心理学の基礎からやさしく学べる講座です。カウンセリングのノウハウや、ストレスのことなどメンタルヘルスについての幅広い知識も学習できます。


メンタルケアカウンセラー(R)講座
(受講料:39,000円 学習期間:約3ヶ月)

心理学の入門から学べる講座です。こころの不調を予防する知識やストレスへの適切な対処法、日常生活にも活用できるカウンセリング方法などが身につきます。

子どもの心理を学べる講座■

チャイルド総合心理 講座
(受講料:59,400円 学習期間:約4ヶ月)

子どもと家族の心の問題・悩みを解決するカウンセラーを目指す方向けの講座です。

自分の気持ちをうまく伝えられない子どものためのカウンセリングや、家族・子育てについて理解を深めるカリキュラムがあり、自分の子育てに学習内容を活かすことができます。


子供心理カウンセラーW資格取得スペシャル講座
(受講料:79,800円 学習期間:約6ヶ月)

子どもの心の発達や成長、子どもの心理状態や適切な接し方、カウンセリング方法などを一通り学べる講座です。

カリキュラムは、赤ちゃんとの関係~小学校 高学年の子どもとの関係まで網羅されており、自分の子どもへの接し方を考える上でも参考になります。

「自分のことだけで手一杯なのに、心理カウンセラーの資格を目指す講座なんてハードルが高い…」と思われるかもしれませんが、必ずしもプロのカウンセラーを目指す必要はなく、日常生活に心理学・カウンセリングの知識を活かすために学んでいるという方も多くいらっしゃいます。

身近な人に頼る、保健センター・子育て支援センターを活用する、カウンセラーに話を聴いてもらう、心のケアについて知識を身につける―自分の心をラクにする方法を、何かしら見つけていただければと思います。

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