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アダルトチルドレンとは

更新日: 2018/08/09

もしかして自分はアダルトチルドレンなの?

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実際にカウンセリングにいらっしゃる方で、

「私はアダルトチルドレンだと思うんです」

「ずっと長い間生き辛さを抱えていて、インターネットで調べたところ、アダルトチルドレンなんじゃないかと思って…」

とおっしゃる人は少なくありません。
アダルトチルドレンは医学的な診断名ではありません。あくまで自己認知の概念ですが、「生き辛さ」「完璧主義」「人間関係でいつもトラブルを起こす」などをインターネットで検索すると、アダルトチルドレンにたどり着くことも多いのが実際です。

アダルトチルドレンとは、機能不全家族で育ったことにより、子ども時代に親との関係性の中で何らかのトラウマをもった成人のことを指します。よく、「AC」と略されていることもあります。(※機能不全家族については『機能不全家族とは』で詳しく紹介しています。)

本来はアルコール依存症の親の元で子どもの問題を扱う用語として知られていました。しかし、アルコール依存症による機能不全家族だけではなく、トラウマとなりうる身体的虐待、精神的虐待、親がセックスや薬物、ギャンブルなどの依存症、過干渉やネグレクト、子どもを所有物のように扱い一人の人間として尊重しないなど、問題のある家庭で子ども時代を過ごしトラウマをもった成人をアダルトチルドレンと考えるようになっていったのです。

1990年代の半ば頃から、日本でもアダルトチルドレンが注目されるようになっていき、現在に至るまで様々な心理カウンセラーや精神科医の著書が発売されています。しかし、アダルトチルドレンの本来の意味を知らないまま言葉だけが先走りし、

「子どもっぽい大人」

「大人気ない性格」

など間違った意味で使われてしまうことが、今でもしばしばあるようです。メディアでもアダルトチルドレンを誤用して使われてしまうことがあったため、間違った認識をもっている人も少なくありません。
アダルトチルドレンは、誰かに「あなたはアダルトチルドレンです」と決めてもらうものではなく、自己認知の問題です。どのような特徴があるのか考えてみたいと思います。

生き辛さ、人間関係のトラブル、自尊心が極端に低い

アダルトチルドレンは生き辛さを抱えています。

「自分はいない方が良いのではないか」

「自分なんて生きている価値がないんじゃないか」

など、自分の存在をとても小さく扱います。もういっそのことなら死んでしまいたいと常に考えている人もいます。また、自責の念や自己否定が強く、自分のことを嫌っています。いつも周りに振り回されてしまったり、周りの期待に何としてでも応えようとしたり、他人に承認されるために頑張りすぎたり、NOが言えなかったりします。
このような問題は、自尊心が極端に低いからこそ起こりやすくなります。また、恋愛で相手に過度に依存しすぎる傾向にあったり、見捨てられる不安から相手の言うことを何でも受け入れてしまったり、しがみつきと愛情の境目がわからなかったり、買い物やギャンブルの依存症になったり、依存傾向が強くなる場合もあるようです。

様々な人間関係でも苦悩を抱えます。いつも人の目を気にしすぎてしまったり、視線に恐怖を感じたり、どう思われているか過度に気にしたり、気に入られるために必死に取り繕うこともあります。いつも不安や緊張を感じているので、心がリラックスできる場面が少ないのです。

他にも特徴はたくさんあるのですが、インターネットで調べると色々出てくるので、「ひょっとして自分の生き辛さの原因は、アダルトチルドレンだからなの?」と思われる人は、調べてみてはいかがでしょうか。

そもそも健全で機能している家庭は、個々のプライバシーや個性が尊重され、無条件の愛情がある家庭です。しかし、親が何らかの問題や依存症を抱えていたり、過干渉や過剰にコントロールしたりすると、子どもは親の顔色を伺って生活するようになります。中には、親と子どもの立場が逆転し、親の親代わりになって生活するような子どももいます。親から受容されたり無条件の愛情を注がれたりした経験が少ないと、自尊心や自己愛を育むことが困難になるのです。その子ども時代の思考パターンや癖はなかなか抜けるものではなく、家庭でうまく生きていけるように身につけたやり方が染み付いてしまい、生き辛さの原因に直結することが多いのです。

さらに二次的な症状として、精神疾患になってしまう人もいます。抑うつや躁鬱を繰り返したり、不安障害やパニック障害を引き起こしてしまったり、摂食障害や、アルコールや薬物などの依存症になってしまうこともあるようです。
家庭が心休まる家庭ではなく、いつ親の機嫌次第で怒鳴られるかビクビクして生活していたとしたら、大人になっても「仕事のことで上司に怒られてしまうのではないか」とビクビクしてしまい、極端に失敗を怖がって完璧に仕事をこなそうとする人もいます。不安といつも隣り合わせのため、精神的にも肉体的にも限界がきて、結果的に燃え尽きてしまい、仕事を辞めざるをえない状況になってしまうケースもあるのです。

生き辛さから抜け出すために

もし、日頃から生き辛さや人間関係の慢性的なトラブルを抱えていて「自分はアダルトチルドレンではないか」と疑問に思う場合、専門家の手を借りてみてはいかがでしょうか。信頼のおける心理カウンセラーに相談してみたり、アダルトチルドレンのための自助グループに参加してみるのも良いでしょう。

生き辛さを一人きりで抱えてしまうのが一番の問題です。しかし、自分の幼少期の体験を思い出したくもないこと切り離してしまったり、傷ついた自覚を持たないまま大人になった人もいます。自分が傷ついている、ということを自覚することが嫌で否認する人も多いようですが、生き辛さを手放してもっと自由に自己を表現して生きるためにも、自分と向き合って見つめ直す時間を作ることが大切です。今はアダルトチルドレンに関する書籍も多く発売されているので、まずは本やインターネットで知識を得ることから始めてみても良いでしょう。

また、大人になって結婚して子どもをもったときに、「こんなはずじゃなかった」と思う人もいるかもしれませんね。親からの過干渉を受けコントロールされてきたことが嫌で、自分の子どもは自由に育てると決めていたはずなのに、つい自分の親と同じようなコントロールを繰り返してしまうなど、「絶対に親のようにはならない」と決めていても、気がついたら親と同じことをしていた、ということも少なくありません。そして、自己嫌悪に陥ってしまい、誰にも言えずに一人で問題をかかえ悩んでしまう、ということもあるでしょう。
このような場合も、過去の自分の傷と向き合い、自分を見つめ直すためにもカウンセラーなどの専門家を頼ってみてはいかがでしょうか。

一人きりで悩んでいると見えない壁にぶつかって、更に苦しみを生み出してしまうこともあります。二次的な精神疾患を引き起こさないためにも、少しでも早く助けを求めることが大切です。