学校心理士とは
教育分野における心理系の民間資格
学校心理士は、一般社団法人学校心理士認定運営機構が認定する民間資格です。学校をはじめとする教育現場などで、子どもや保護者、教員を対象に、学校心理学に基づいた知識と技能をもって、アセスメント・カウンセリング・コンサルテーションにあたります。
スクールカウンセラーと混同するかもしれませんが、スクールカウンセラーは職業の名前です。スクールカウンセラーの資格要件は「精神科医・公認心理師・臨床心理士・大学教員の免許を持つ者」となっていますが、文部科学省では、学校心理士を「スクールカウンセラーに準ずる者」と規定し、スクールカウンセラーの資格要件を満たす人材が足りない地域など、合理性が認められる理由がある場合には学校心理士の資格取得者がスクールカウンセラーとして任用されることもあります。
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学校心理士になるには
受験資格(申請条件)を満たす→試験合格→登録の3ステップ!
「学校心理士」は資格の名前ですので、「なるには」というより「学校心理士の資格を取得するには」という話になります。以下のステップで資格を取得することができます。
1、受験資格を得る(申請条件を満たす)
↓
2、試験に合格する
↓
3、登録をする
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学校心理士の受験資格(申請条件)
学校心理士の受験資格について、試験実施団体のHP等では「受験資格」ではなく「申請条件」と記載されていますので、以下「申請条件」として解説していきます。
試験を受験するには、以下の「申請条件」のいずれかを満たしている必要があります。満たしている条件によって「申請類型」を1つ選択します。「申請類型」によって受験する試験項目が異なります。
■申請条件
(※以下のいずれかを満たしている必要があります)
・大学院で学校心理学関連の科目の単位を修得し、修士課程・専門職学位課程を修了し、学校心理学に関する専門的実務経験を1年以上有する方
・4年生大学卒業で学校心理学に関する専門的実務経験を5年以上有する方
・大学または大学院で授業を2年以上担当し、学校心理学の8領域に関する研究業績を5編以上有する方
・公認心理師資格を有する方(※学校心理士認定運営機構が開催する講習会に参加する必要があります。)
・学校の管理職または教育行政職として、心理教育的援助サービスに関する指導的な役割の経験を3年以上有する方(申請時において、その職を辞してから5年を経過した方は除きます)
申請類型 | 対象者 |
---|---|
学校心理学大学院類型 | 学校心理学関連大学院修了者および修了見込者対象 |
公認心理師大学院類型 | 公認心理師関連大学院修了者および修了見込者対象 |
教職大学院類型 | 教職大学院修了者および修了見込者対象 相談機関等の専門職従事者対象 |
学校教員類型 | 教員の経験を有する者対象(教育職員免許状もしくは保育士資格を有する者) |
相談機関等専門職類型 | 相談機関等の専門職従事者対象 |
大学職員類型 | 大学・短期大学等の教員対象 |
学校管理職類型 | 学校管理職または教育行政職の従事者対象 |
公認心理師類型 | 公認心理師資格を有する者 |
海外取得類型 | 海外での資格取得者対象 |
※詳細については一般社団法人 学校心理士認定運営機構のHPでご確認ください。
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学校心理士試験について
2020年度の試験概要
以前は
・試験I(論述式)
・試験II(多枝選択式)
・試験III(面接)
という3種類で試験が行われていましたが、2020年度試験については、
・試験I(論述式)
・試験II(多枝選択式)
・試験III(面接)
・試験IV(講習会後)
の4種類の試験に変更されました。尚、申請類型によって受験すべき試験の種類が異なります。
2020年度の学校心理士資格試験について概要をご紹介します。詳細は下記をご参照下さい。
■ 2020年度 学校心理士試験情報 ■
〇出願期間
2020/4/1~6/20(当日消印有効)
※大学教員類型は,2020/4/1~4月30日(当日消印有効)
〇試験日
・試験I(論述式)、試験II(多枝選択式):2020/8/22(土)
・試験III(面接):2020/7/11(土)、7/12(日) いずれか1日
・試験IV(講習会含む):2020/8/22(土)
〇合格発表
2020年10月~11月頃
〇受験手数料
手引き及び申請書 3,300円、認定審査料 33,000円
※その他、ガイドブック(2,200円)を必要に応じて購入。公認心理師対象の講習会では「ガイドブック」をテキストとして使用します。
※手引き及び申請書とガイドブックの同時購入についてはセット割引があります。(手引き及び申請書+ガイドブック→5,000円)
〇試験科目
試験I(論述式)、試験II(多枝選択式)、試験III(面接)、試験IV(講習会後)、ケースレポート(申請書類とともに提出)
※申請類型によって受ける試験が異なります。
〇試験地
2020年度はすべて自宅受検
(試験I・II:自宅受検/試験III:オンライン面接/試験IV:自宅受検)
〇登録料
登録料20,000円+日本学校心理士会会費(5年分)30,000円
〇更新料
11,000円(5年ごとに要更新)
〇試験実施団体
一般社団法人 学校心理士認定運営機構
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学校心理士の活躍の場
小中高等学校、特別支援学校など教育現場で活躍!
学校心理士の主な活躍の場は教育現場です。幼稚園や小中高等学校、特別支援学校などで、児童・生徒、およびその保護者や教員の相談業務にあたります。
学校心理士は、文部科学省で「スクールカウンセラーに準ずる者」と規定されており、資格要件を満たす方が少ない地域などでは、スクールカウンセラーや相談員として任用されることもあるようです。また、教育委員会や教育センター、教育相談所などで相談業務に従事する場合もあります。但し、「スクールカウンセラー」と「スクールカウンセラーに準ずる者」とでは、給与に差があることがほとんどです。
「学校心理士」は、業務独占資格ではありませんので、この資格を必須とする求人というのはなかなかないというのが正直なところです。しかしながら、申請条件に学校心理学を修得していることや教員経験などが含まれていることから、教育および学校心理における専門的な高い知識とスキルを有していることの証明となります。すでに教育現場に勤めている方や、教育機関において心理学を活かした相談・支援業務に就きたい方のプラスアルファの資格としては有効と言えるでしょう。
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関連資格
学校心理士スーパーバイザー(CSP-SV)と学校心理士補
学校心理士は、1997年度からスタートした資格です。2011年にはその上位資格として「学校心理士スーパーバイザー(CSP-SV)」の認定資格も誕生し、役割としては学校心理士へのスーパービジョンや研修会講師を行います。また、学校心理士の下位資格として「学校心理士補(※)」資格もあり、2019年1月1日時点で、学校心理士スーパーバイザー・学校心理士・学校心理士補の人数は約4,200名です。
※「学校心理士補」は、2017年度資格申請をもって廃止となりました。
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まとめ
学校心理士は「スクールカウンセラーに準ずる者」と規定されており、精神科医・公認心理師・臨床心理士・大学教員の免許を持っていなくても状況によってはスクールカウンセラーとして任用されることがあります。
ただし、基本的には精神科医・公認心理師・臨床心理士・大学教員の免許を持っている方の募集が優先されますので、学校心理士の資格だけを武器にスクールカウンセラーを目指すのは難しいところではあります(※地域や学校の事情により異なります)。
教職員を目指す方や、すでに幼小中高等学校、特別支援学級などの教育現場で活躍している方、教育委員会、教育センター、教育相談所など教育の分野に従事されている方などのプラスアルファの資格と考えるといいでしょう。
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