ひきこもり支援相談士とは?
ひきこもり当事者とその家族を支援することを目的とした資格!
ひきこもり支援相談士とは、一般社団法人ひきこもり支援相談士認定協議会が認定する資格のことを言います。ひきこもりの当事者(本人やその家族)に寄り添って支援していくことや、ひきこもりを回復させるための第一歩である中間施設(グループホーム、フリースペースなど )へと繋ぐことを資格目的としています。
受講資格はありませんので、どなたでも資格取得を目指すことができます。
ここでは、ひきこもり支援相談士の活躍の場、資格取得までの流れ、身につけられる知識・スキル、向いている人などを紹介していきます。
ひきこもり支援相談士の需要は?
世代を問わずひきこもりの方が増加し、大きな社会問題となっている!
令和元年11月3日、内閣府から『15~39歳のひきこもりの方が54.1万人にのぼった』ことが発表されました。また、平成31年3月公表の内閣府調査では中高年のひきこもりの方が61.3万人との結果が出ています。今やひきこもりの方は世代を問わず増えていて、大きな社会問題となっています。また、ひきこもりの高齢化や長期化も進み、それに伴って50代のひきこもりの方を80代の親が支えなくてはならない「8050問題」も深刻化しています。
(参考)令和元年版 子供・若者白書(概要版)「特集2 長期化するひきこもりの実態」│内閣府
このような状況下において、ひきこもり支援相談士の需要は今後どんどん高まっていくことが予想されています。そのため、ひきこもりの方と社会との架け橋になる役目である『ひきこもり支援相談士』は日本国内で社会的に求められている存在であるといえるでしょう。
ひきこもり支援相談士の活躍の場は?
おもに、ひきこもり支援関連施設での相談員やボランティア活動!
ひきこもり支援相談士の資格取得後は、ひきこもり支援関連施設(ひきこもり地域支援センターなど)で相談員として活躍したり、ひきこもり支援拠点でボランティアをしたりすることが多いようです。また、『子ども若者育成支援推進法』により構築される『子ども・若者支援地域協議会』を軸とした地域支援ネットワークで活躍することもあるようです。
それらの場所で、相談を受けた引きこもりの当事者やそのご家族に対して、問題改善のための支援や家族面談、カウンセリングなどを行います。他にも、必要があれば医療機関に繋いだり、同行したりもします。
また、キャリアを積んで独立・開業される方もいるようです。
ただし、資格を取得したからといって就職口がすぐに見つかるというわけではない点は注意しましょう。ひきこもり支援関連施設などで働きたい方は、まずはボランティアとして働いて経験を積むのが良いでしょう。
『ひきこもり支援相談士』の資格取得をするには?
講座を受講し課題に合格する必要があり!
ひきこもり支援相談士の資格取得をするには、講座を受講し課題に合格する必要があります。その後、会費(認定料)を支払うことで『ひきこもり支援相談士』の資格認定証が発行されます。
通信講座で受講できますので、ご自身の好きな時に勉強することができます。また、不合格の場合は課題を再提出することができます。
講座受講申し込みは『一般社団法人ひきこもり支援相談士認定協議会』のホームページから行うことができます。
※受講開始時期については、特に指定はありません。都合にあわせて随時受講可能で、申し込みも年間を通して受け付けています。
ひきこもり支援相談士養成講座 概要
【受講資格】
特に無し
【受講料】
3,5000円
【資格認定料】
5,000円
※お支払いについては、クレジットカード、代金引換サービス、郵貯銀行振込が可能。
【教材】
テキスト、DVD、資料集、問題集
【受講期間】
6ヶ月(目安)
ひきこもり支援相談士養成講座ではどんなことを学ぶの?
ひきこもりの基礎知識・対応方法・事例研究について学ぶ!
ひきこもり支援相談士養成講座では、おもに『ひきこもりの基礎知識・対応方法・事例研究』などを学習していきます。教材別に内容をまとめてみました。
教材 | 内容 |
---|---|
テキスト |
基礎知識、対応方法、事例研究を段階的に学習 ▼学習項目 第一部 ひきこもり支援相談士に必要な基礎知識 第一章 ひきこもりとは?ひきこもりの理解 第二章 ひきこもり支援相談士に関する基礎知識 第三章 ひきこもり支援相談を行なう上での基本的心構え 第四章 全国各地のひきこもり支援相談手法の集積 第二部 ひきこもり状態への対応 第一章 ひきこもり支援相談を実施する上での基礎知識 第二章 ひきこもり外来の対応方法 第三部 事例研究 第一章 ひきこもり支援相談士訪問事例 |
DVD |
医学博士、大学 社会福祉学部 教授など7名の先生・講師による、教本・資料集に対応した内容となっています。 ※DVDは使用機器(パソコン、プレイステーション等)によって閲覧できない場合あり。万が一、不良品の場合は取替え可能です。 |
資料集 |
・「引きこもり」の実態に関する調査報告書 ・ライフステージに対応したひきこもり支援 ・精神・神経疾患、発達障害等についての理解と対応 |
問題集 |
・語句問題、理論・スキルに関する問題 ・事例演習に関する問題 |
ひきこもり支援相談士の難易度・合格率は?
合格率は約75%
ひきこもり支援相談士の資格の難易度は高くありません。
約3ヶ月〜6ヶ月ほどの通信講座を受けた後に課題を提出することで資格を取得できます。課題が不合格であった場合も再提出できます。
家で資料を見ながら課題に取り組めますので、資格試験としては難易度は高くないと言えるでしょう。合格率は約75%です。
ひきこもり支援相談士の給料・年収は?
月収約20万円
ひきこもり支援相談士の給料は勤務先によっても変動します。
例えばひきこもり地域支援センターの常駐員として働く場合は月収18~25万円ほどです。また、企業カウンセラーの場合ですと月20万円前後が相場です。
年収は平均200~400万円ほどで、日本の平均年収から見るとやや低い傾向にあるのが現状です。
ただ、今後の需要拡大によって待遇の改善が期待できる資格でもあります。
ひきこもり支援相談士の資格取得に向いている人とは?
家族や友人など身近にひきこもりで困っている人がいる方!
ご自身の家族や友人など身近にひきこもりで困っている人がいる方は、受講し資格取得を目指してみるのも良いかもしれません。
実際に『身近で不登校問題に悩んでいる人がいる』ことから、ひきこもり支援相談士の資格取得を目指している方もいらっしゃるようです。その他『仕事で子どもとの接点が多くあり、不登校問題解決に対して興味・関心を持たれている方』『より多くの子ども達の役に立ちたいと思っている方』などもいらっしゃるようです。
資格取得したからと言って、就職先や収入面で期待することは難しいかもしれません。しかし、平成25年4月1日より全国の地方自治体で「ひきこもりサポーター」を養成・派遣を行っていくと厚生労働省が発表しています。それに伴い、今後は活躍の場や待遇についても改善される可能性はあるかもしれません。
現時点で資格取得までは考えていないが、学んだ知識・スキルで引きこもりの方の問題解決などをしたいという方は、ストレスカウンセラーや心理カウンセラー関連の講座受講を検討されてみるのも良いかもしれませんね。