臨床心理士の仕事とは?仕事内容や1日の過ごし方をご紹介!

臨床心理士
このページの監修者
城川 光子

1985年東京生まれ。私立渋谷幕張高等学校、上智大学文学部、関西大学大学院心理学研究科心理臨床学専攻。
公認心理師・臨床心理士・産業カウンセラー試験合格。心療内科クリニックでのカウンセリング、小学校スクールカウンセラーなどの職務経験。

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本ページでは、「臨床心理士の仕事内容」や「1日の過ごし方」について、当サイトで関連ページ監修の臨床心理士城川光子先生からご紹介していただいています!
リアルで充実した内容となっておりますので、ブックマークして複数回に分けて読んでいただくのもおすすめです。心理の資格に興味をお持ちの方は是非ご覧になってみてください。

はじめに

カウンセリングは「心のメンテナンス」

悩みのない人間はいません。

寄せては返す波のように、生きていく上で悩みは尽きません。小さな波や大きな波が日々私たちに訪れます。その日のうちにすぐに解決できる簡単なものもあれば、年単位で立ち向かわなければならない複雑なものもあります。

「どんな悩みもお気軽にご相談ください」

そうカウンセラーは言います。どんな悩みであっても、
真摯に、丁寧に、心を込めて聴かせていただく姿勢
を示しています。そしてカウンセリングでは、共感し、相談者の体験をそのまま感じ取り、理解を深めていきます。

相談者は理解してもらえたと感じると、安心感が生まれ、より自由に自分らしさを出せるようになっていきます。一人で問題に取り組むのではなく、”一緒に頑張っている感覚”を得て、力強さを取り戻していきます。

日本ではなんとなく、
“精神的に病んでる人が行くところ”
“人様に恥ずかしいことは見せられないところ”
があり、なかなかハードルの高いカウンセリング。
しかし、欧米ではジムや美容院に通うのと同じように、心の健康をメンテナンスし、自分をよいコンディションに保つために通うそうです。

仕事や子育て、人間関係など健康な人が気軽に相談できる場所として機能し、決して特別な場ではないようです。なるべくなら、日本もそうやって本当の意味で気軽に行けるような空気が出来てくるといいですが、今はまだ「ギリギリまで頑張って、最後の手段でいらっしゃることが多いなあ」と感じます。

このコラムを通じて、少しでもカウンセラーの仕事を知ってもらい、身近に感じてくだされば嬉しいです。

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心理療法の世界は多彩

多彩な心理療法

人の心は海のようです。明るくて暖かいキラキラした浅瀬のような部分もあれば、少し深くじっくり考えたり感じたりするところ、もっと行けば真っ暗で未知のことばかりの深海もあります。それらは別のものではなく、つながった1つのものです。

心理療法と一口に言っても、下記のように多様になっています。

・スキルとしてコミュニケーションの取り方や自己主張方法を練習するもの
・考え方の変容を目指すもの
・自分の体の感覚を手掛かりに自己探求を深めるもの
・過去のトラウマと向き合うもの
・深層心理や夢、スピリチュアルな世界を扱うもの など

心の世界を探求するための手段が心理療法で、広い心の中のグラデーションに対応して、数多くの方法が存在しています。

どの療法が一番良いというものではなく、相談者のニーズに応じて選択して行けるのがベストだと思います。

基本的な傾聴や人間尊重の姿勢など、ある程度の共通した対応はありますが、それぞれに得意分野がありますので、各医療機関やカウンセリングルームのホームページの情報を収集してから行くのをお勧めします。

学ぶのであれば、それぞれ技法や療法を学べるセミナー、研修などが随時開催されていますので、調べて行ってみるのもいいと思いますし、スクールの資料請求をしてみるのもいいと思います。

研修で理解を深める

どの方法も、1回学べば全てが解決するわけではありませんが、学んだことは今後の自分に必ず活かすことができます。

私自身、以前参加した研修で学んだ「認知行動療法」や「家族療法」、「マインドフルネス」、「リラクゼーション」、「フォーカシング」、「ハコミセラピー」、「タッチケア研修」などの知識は仕事でもプライベートでも役立っています。

もっとあらゆる分野の研修を受けておきたかったなあと思うくらいです。たくさんの分野を横断して学べば、共通しているところ、オリジナルな部分がだんだん見えてきて、それらが複合的に活かされてきます。

心の関することの勉強は、どこかつながっていますので、いろいろと学んでいくとより深まっていくのではないかと思います。

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臨床心理士のとある1日

この章では、下記3つの職場における臨床心理士の過ごし方をご紹介いたします。

1.医療領域:精神科クリニック
2.教育領域:公立小学校
3.産業領域:地域若者サポートステーション

※事例はモデルケースであり、特定の人物を示すものではありません。
※勤務先によってルールが異なることもあります。募集要項や採用面接で「1日のスケジュール」を確認するようにしてください。

医療領域:精神科クリニックでの1日

時間内容
8:30出勤。白衣に着替える。カウンセリングルームを整える。記録を読み準備をする。
9:00カウンセリング開始。
30分枠または60分枠。
12:00お昼休憩。
13:30カウンセリング開始。
30分枠または60分枠。
18:00カウンセリング終了。記録をまとめ、カウンセリングルームの清掃をし、白衣から着替えて退勤。

【主な仕事内容】
・診察補助
・心理検査の実施
・集団療法の実施

一般的には、精神科医の診察の補助として、
質問紙や投影法、知能検査や発達検査、神経心理検査などの心理検査を実施する、またはリワークプログラムやペアレントトレーニングなど集団療法を臨床心理士が担当するクリニックも多いと思います。
私の場合は、カウンセリングを重視するクリニックでしたので、1日フルにカウンセリングをしました。

医師の診察ののち、必要があると判断されると心理士のカウンセリングが実施されます。基本は30分枠ですが、60分枠の予約も可能でした。一見、30分も話すことあるのかな…と思われるかもしれませんが、実際はあっという間に感じることが多いです。

もちろん30分がちょうどいい方もいる一方で、大学院でのトレーニングでは基本的に5、60分のカウンセリングでした。その中で、それまでの出来事を話し、気持ちを感じ、一緒に考え、時には過去を振り返り、次回に向けて何をするか検討するとなると、ちょうど良い長さに思います。

ペースは2週間に1回程度の方が一番多いですが、毎週、月に一回、または不定期など様々です。期間も、1回のカウンセリングで終わる方もいれば、3、4回で問題が解決して終わる方、3ヶ月ほどで状況が落ち着く方、1、2年それ以上と年単位でじっくり取り組む方など様々です。

必要性が高い時期はなるべく早いペースで来ていただくこともありますが、お仕事や家族状況、カウンセリングに対する考え方など、相談者の希望を大事にしています。

◎例えばこんな相談
30代男性。管理職昇進をきっかけに、気持ちがふさぎがちでいろんなことが楽しめなくなる。夜は眠れず、徐々に会社に行けなくなり、妻に連れられて来談。休職をしてじっくり休む期間を確保し、服薬で眠れるようになり、生活リズムを徐々に整え、散歩や読書など徐々に活動レベルを上げる。

カウンセリングを通してなんでも抱え込んでしまいがちで、完璧主義の自分に気づき、適度に手を抜くことや頼ることを心がけていく。クリニックのリワークプログラム、時短勤務を経て、元の職場に復帰できた。

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教育領域:公立小学校での1日

時間内容
8:15出勤。相談室の準備。先生方の朝の会議に参加。
終了後、個別に数名の先生と短い打ち合わせ。
9:00保護者のカウンセリング(50分)、記録作成。
10:15休み時間、相談室に生徒たちが数名訪れ話をしていく。
10:40クラス見学。クラス全体や気になる生徒の様子を把握する。
11:00保護者のカウンセリング(50分)、記録作成。
12:15給食をクラスでいただく。
13:00休み時間、予約した生徒が訪れ、カウンセリング(20分)
13:40不登校生徒が来室し、カウンセリング(30分)
14:15別のクラス見学。クラス全体や気になる生徒の様子を把握する。
15:15放課後、予約した生徒のカウンセリング(30分)
16:00職員室にて先生方や管理職と打ち合わせ。
場合によっては先生に対してコンサルテーションを行う。1日の記録作成。
17:00相談室の鍵を閉め退勤。

【主な仕事内容】
・児童、生徒のカウンセリング
・保護者や先生方のカウンセリング
・先生方との打合せ 

東京都の公立小学校のスクールカウンセラーは1日7時間45分勤務、週に1回ほどの勤務(年間38回)となっています。少ない勤務時間で学校全体の問題に対応しなくては行けないので、相談室でのカウンセリング、各クラスの見学、給食への参加、先生や管理職との打ち合わせやコンサルテーションなど、基本的にはずっと動いているイメージです。

また、季節ごとに生じる対応があるのも特徴です。
例えば、春先には低学年の登校しぶりを対応したり、
夏休み明けはなかなかまとまらないクラスが出ることがあるのでその支援に行ったり、
秋になると高学年の修学旅行に関してグループや人間関係の相談、
冬になると6年生の受験に関するストレスなどの相談、といった具合です。

<休み時間>
休み時間には相談室の解放を行い、生徒は誰でも来ていいようにしていました。数人で来て折り紙やお絵かきをして楽しく過ごすこともあれば、友達にひどいことを言われたなど人間関係の話をしに来てくれる、一人で来室してじっくりと家庭での話をしてくれるなど、生徒の必要に応じて対応します。

<クラス見学>
クラス見学では、なるべくいろんな生徒の様子を満遍なく見るようにし、休み時間には雑談をしたりして、少しずつ関係性を構築していきます。

一方、例えば落ち着かなくて授業に集中できない生徒の様子を見たり、その子のつまづきを把握して、力を伸ばす方法について考えたりします。時には学級崩壊のクラスを見学して、生徒たちが作る流れを把握したり、時には他の手の空いている先生と協力して改善に取り組んだり次にどうするか一緒に考えることもあります。

<保護者のカウンセリング>
保護者のカウンセリングは、希望があればどなたでも来ていただけます。子育ての悩みなどで気軽に来ていただけることもありますし、いじめや不登校、発達に関する懸念がある場合などは、半年や1年単位など長期的に来談を続けることもあります。

保護者の方の声にしっかりと耳を傾け、不安や心配に寄り添いつつ、生徒のために何ができるかを一緒に考えていきます。子どもに関する相談はなかなか家族以外には相談しにくいので、少しでも誰かに話せる機会であると共に、親子は密着しやすく、関係が近すぎることがあるのですが、第三者からの冷静な観点を提供することも重要なことです。

保護者とのカウンセリングを通して、これまでの親子関係について気づきがあったり、子どもとの関わり方を一緒に考え、変えていくことで、それまで関係が改善したり、子どもがより自分らしさを出せるようになり、問題が解消していくことを目指します。

◎例えばこんな相談
小学6年生の女子生徒の母親。今まで手がかからずいい子だったのに突然の不登校で困惑している。家では全く口も聞かないので対応に困る。カウンセリングを通して、親自身の子どもに対する期待が大きすぎ、厳しすぎたことに気づく。多くなっていた指示や命令、否定のコミュニケーションを一旦やめ、挨拶や雑談からコミュニケーションを徐々に増やしていった。

例えば良い成績を取ってきても、まだまだ全然だめと返すなど、親としてはやる気を鼓舞しているつもりだったが、子どもに改めて聞いてみると、すごく嫌だったこと、何をやっても否定されるのでどうせ自分はだめなんだという思いが強くなっていたことを語る。少しずつ気持ちを語り、受け止めてもらえる経験が増えると、家の居心地も良くなり、次第に部屋から出てくる時間も増え、学校からの課題に取り組むことも増え、保健室登校からはじめ、やがて教室に行けるようになっていった。

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産業領域:地域若者サポートステーションでの1日

時間内容
9:30出勤。面接予定の方の概要確認
10:00新規相談者のカウンセリング(50分)
11:00継続相談者のカウンセリング(50分)
12:00お昼休憩
13:00グループワーク前半(50分)
13:50休憩
14:00グループワーク後半(50分)
15:00保護者のカウンセリング(50分)
16:00ミーティング
16:15記録作成
16:30退勤

【主な仕事内容】
・就活を行う若者のメンタルケア
・専門機関の紹介
・グループワーク

産業領域だと企業内相談室や外部EAPなどが主な職場になると思いますが、こちらでは無職の若者を就労に向けて支援するサポートステーション(通称サポステ)を紹介します。
相談者は、キャリアカウンセラーとの個人面接と、ビジネススキルやコミュニケーションスキル向上のためのグループワークに参加しながら、徐々に活動レベルを上げていき、就職活動に向けた準備をしていきます。

キャリアカウンセラーは週5日在籍し、相談者の強みを見つけ、興味や適性を見極めながら適職を一緒に模索し、就職活動中にも履歴書の書き方、面接の振り返りなどをし、就労後にも職場への定着を目指して、継続してサポートを続けていきます。

私が勤務したサポステでは臨床心理士は週に1度の勤務で、主に就職活動中のメンタルケアと、医療機関や福祉機関にリファーすること、グループワークの3つを担当しました。

<メンタルケア>
1つ目のメンタルケアは、やはり経験が少ない若者にとっては、面接での失敗を大きく捉えてしまうことがあり、そのショックを受け止め支えたり、自分の性格傾向の自己分析を手伝います。サポステのグループワーク内での出来事を相談されることもあります。コミュニケーションの経験が少ないゆえに、指摘されることや反対されることに慣れてないこともあり、ご本人の気持ちを支えながら、一緒にその意味を考えていきます。

<リファー>
2つ目のリファーは、無職の方々の中には長年未治療のままうつ病や、強迫障害、摂食障害、発達障害、知的障害などを抱えている方もおり、通いやすい医療機関や福祉機関を紹介することも多くありました。面接を通してこれまでの経緯や症状を整理し、受診の必要性をお伝えします。場合によっては保護者の方に来てもらう場合もあり、現状の説明と紹介機関受診のメリットをお伝えします。

ご本人や保護者の了承を得られたら紹介状を作成し、医療機関をいくつか調べ、最終的にご本人に選択してもらいます。その医療機関に通いながらサポステを利用する方もいますし、医療機関のデイケアやグループワークから通い始める方、発達障害の検査を医療機関で受けた上で障害者職業センターを利用して障害者枠就労を目指す方もいます。そのケースも、その方にとってより良い一歩であることを目指し、アフターフォローでの面接も受け入れていました。

<グループワーク>
3つ目のグループワークでは、リラクゼーション、アサーション(自己主張訓練)、集団認知行動療法、キャリアワークなどを実施しました。リラクゼーションでは、無職の方の中には長期間自宅にいた方も多く、家にただ居るのはリラックスしているようで実は体が硬く緊張状態にあることも多いのです。呼吸法や筋弛緩法などでゆったりと体をゆるめ、ゆったりした時間を過ごしてもらいました。次に、アサーションでは、嫌なことを言われた時にどうしても黙ってしまう方が多いので、相手の言い分や気持ちを受け止めた上で、気持ちよく自分の気持ちを伝える練習をしました。

さらに、集団認知行動療法では、自分のクセになっている考え方に気付き、より適応的な考え方に修正する練習をしました。特に日常的に自分で自分を否定する言葉が浮かんでしまう方には、それがもはや習慣になってしまっているので、それについて肯定的な言葉や無理のない修正をすることは、新鮮だったようです。

最後にキャリアワークでは、自分の好きなものや大切にしている事を手掛かりに、どんな職業に興味があるか、自分の人生でどんな事を実現したいかを書き出し、そのために今何をしたらいいか考えるワークをしました。

グループワークを担当するのは初めてでしたが、個人カウンセリングとは違う形でその方の力を取り戻すことができること、個人では伝えにくい心理学の体系的な知識を伝えることができるなど、大変意義深いものでした。

また、時には専門家に言われる一言より、同じ立場のグループメンバーの言葉や励ましの方が、素直に受け止められたり、自信に繋がることも感じました。グループの相互効果というのは、良い方向に向かっているときはとても力強いなと感じます。

◎例えばこんな相談
19歳男性。高校1年生の時にいじめにあって以来不登校気味だったが、なんとか卒業。現在無職で働きたいとは思っているが、ハローワークに行く勇気がない。自己肯定感が低く、コミュニケーションにも苦手意識が強い。

グループワークに参加し始め、昼夜逆転の生活から少しずつ改善していき、ビジネスマナーや自己主張方法を学んでいく。キャリアカウンセラーとの面接で、何かを作業する事自体は好きな事、コミュニケーションが少ない方が向いている事などを洗い出し、年末の郵便局のアルバイトに挑戦。

それが自信になって運送業のアルバイトに応募し、採用となり、継続的にキャリアカウンセラーとの面接をして働き方を振り返りながら、勤務を続けている。

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臨床心理士はやりがいのある仕事!


いかがでしたでしょうか。
ここまでをまとめると、カウンセリングは特別なものではなく、どんな方にも心のメンテナンスとして気軽に利用していただきたいこと、心理療法はスキル習得から深層心理を扱う分野まで多彩であり、様々な方法を学ぶことがより深みを生むことをお伝えしました。

もし目指してみたい、あるいは心理学に関する講座を受けてみたいと思われたら、スクールパンフレットやインターネット等で少しでも事前に情報収集を行い、ご自身に合ったものを選択していくことが大切だと思います。

「心のメンテナンス」という仕事

「臨床心理士のとある1日」では医療・教育・産業の各分野での働き方の一例をご紹介いたしました。各分野、そして各職場によって少しずつ求められていることが異なり、心理士の動き方もそれに応じて変わります。自らのやり方に固執せず、現場のニーズを把握し、周囲のスタッフと良好な関係を築き、うまく立ち回りながら、力を発揮していく、というバランス感覚も求められます。

全ての仕事で共通しているのは、目の前の方のそれまでと今を最大限尊重しながら、その方にとってより良い次の一歩を一緒に考え、支えていく姿勢です。

今回の相談例は全て改善していくものになっていますが、実際はそれだけではありません。世の中は効率化やコストパフォーマンスが求められる時代ですが、心の世界はそのような因果律は通用しません。

もちろん良くなっていくことが一番で、そういったケースも多いのですが、“悪くならない”ということもまた大事なことで、慢性的な精神疾患に悩まされる方や、複雑な状況の方にとっては、カウンセリングを通して現状を維持することが大事なことになることもあります。

相談者との向き合い方

相性が合わないこともありますし、なんでもできるのでは、一度で全て魔法のように見抜いて解決してくれるのでは等カウンセリングへの期待値が大きすぎて、うまく関係が築かれないこともあります。
もちろんそれを加味して働きかけていく必要があるのですが、責められたり、罵倒されたりする場合もあります。いつもベストを尽くしますが、どんなに尽力してもあまり力になれないこともあり、そういった場合に自身のスーパーバイザーに相談するなど、自身の振り返りと気持ちのメンテナンスが必要になることもあります。

相談者が良い方向に変わっていく時や、力を発揮されるのを見るのは何よりのやりがいになります。変わっていくのはご本人の力ですが、そこに共に在ったことにありがたさを感じます。時にはピンチがチャンスに変わるといいましょうか、大きく落ち込む出来事がきっかけでカウンセリングに来談し、そこで初めて周りに合わせてばかりだった自分に気づいたり、本来の自分と言えるようなものを見つけ、生き方や心のあり方が大きく転換するケースもあり、人が変わっていく瞬間、自分自身になっていく瞬間に立ち会えるというのも、素晴らしいものだと感じます。

現状をなんとか維持していくケースも、人生に伴走し、共に悩み頑張り、一緒に考えて色々と次の一手を試し、その結果によってさらに次にやることを考えていくような、とても前向きで張り合いのあるものです。時には過去に戻って、親子関係や友人関係、パートナーとの関係を振り返り、自分の考え方や関係づくりの傾向を紐解き、これからの人生に活かしていくにはどうしたら良いか考えることもあります。

過去の人間関係で培われたパターンは、自分では当たり前になってしまっていて、第三者の視点も交えながら、改めて意識しないとなかなか顕在化しにくいもので、大きな気づきがあることもあります。

うまくいかなかったケースは、自身の力不足を見つめ直すきっかけになります。「どうしたらよかったんだろう」と後から何度も自問自答し、それが新しい本や心理療法、スーパーバイザーに出会うきっかけになることもあります。それこそ、全ての出会いに無駄はないと思います。

最後に

最後に、どの仕事でも言えるかもしれませんが、臨床心理士は手先のテクニックでなんとかなるものではなく、自身の人そのものの姿勢が試される仕事です。誰かに相談する時、この人に話して通じるかな、と見極めますよね。ダメそうなら適当に時間を過ごしておしまいです。それはカウンセリングの世界でも一緒です。

気軽な相談でも、人生がかかった相談でも、この人に話して受け止めてもらえるのだろうか、信頼に値する人物なのだろうかとまず見極められます。真摯に人生に向き合っているか、謙虚に自分自身を知っているか、信念や思いを持ってカウンセリングに望んでいるか、そんな人としての姿勢が見られているのではないかと思います。

臨床心理士の仕事について色々な方面から語ってきました。これらが少しでも心理学に興味のある方や、カウンセリングを受けてみようと思う方、カウンセラーを目指す方の参考になりましたら幸いです。

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