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自分の子どもを愛せない心理について

更新日: 2018/07/10

どうしても自分の子どもを愛せない…と悩むケース

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昨今、児童虐待のニュースをよく目にするようになりました。とても痛ましい事件が多く、最悪の場合は子どもが死に至ってしまうケースもあります。そこでよく騒がれるのが、

「母親なのに何て酷いことをしたんだ」
「母親なら子どもをちゃんと愛するべきだ」


という声です。世間一般のイメージでは「母親は子どもに無償の愛情を注ぐもの」であり、「自分を犠牲にしても子どもを優先するべきだ」と考える方も、未だに多いのが実情のようにも感じます。 いくら女性の社会進出が目覚ましくなったとは言え、母親に対するイメージにあまり変化がないため、世間体と自分の気持ちの間で苦悩してしまう母親も多いように感じています。

しかし、母親は生まれつき「母」ではありません。母性も徐々に芽生えていく人もいれば、個人差もあります。母親になったからと言って、いきなり最初から上手に愛情を注げなくて当たり前なのです。そして本当は、子どもを大切に育てたいという優しい愛情があるからこそ、「うまく愛せていないのではないか」と悩むのだと思います。 実際のカウンセリングの現場でも、

「自分の子どもを愛することができずに悩んでいる」

というご相談をお伺いすることがあります。特に近年で急増しているようにも感じています。可愛いと思うことができずに、「私は母親失格だ」と強い罪悪感を抱き、疲弊しているケースも存在します。では、どうして子どもを愛せないと感じるのか考えてみたいと思います。

自分自身を愛せていないケースが多い

子どもを愛せないと悩む母親の多くは、自分に対しての自己否定感が強いケースが目立ちます。

「自分は何をやっても駄目な人間だ」
「自分は人よりも劣っている」
「他のお母さんのように、子どもに優しくできない」


など、他者と自分を比べてはコンプレックスを感じている場合があります。「隣の芝生は青い」ということわざがありますが、その通りで、自分以外の人はみんな上手くやっているように感じてしまうのです。

自己否定が強いと、自分を愛することはできず、欠点やできていないところばかりに目がいきます。すると子どもに対しても必然的に厳しい目を向けてしまうこともあるでしょう。「何であなたはできないの」など、自分自身にいつもかけている言葉を子どもに対して発するようになったり、子どもと自分の境界線が曖昧になってしまうのです。特に母親は、自己嫌悪を子どもに投影しやすいとも言われています。自分に似ている子どもなら、更に自分の嫌なところと重なってしまって、うまく愛せなくなってしまうのです。

また、「完璧な理想の母親像」を自分に持っているときも、少し愛情が注げないだけでも「やっぱり私は良い母親ではない」と自分を強く責めてしまうケースもあります。このような状態が続くと、うつ病などの精神疾患を患ってしまうケースもあるようです。完璧主義の人に多く見られる傾向ですが、「〜するべき」「〜であるべき」と言ったルールを多く持っている場合があります。

しかし本当は「絶対にこうするべき」という正解はありません。「〜するべき」という思考がでてきたら、自分の思い込みが勝手に作ったルールだと自覚してみると、そこまで自己ルールに縛られなくて済むかもしれません。完璧でありたいという思いは、心理的に裏を見ると、自分は全然駄目だから完璧にならないといけないという、自己否定が隠されている場合もあるのです。

また、自分の親から愛情を注いでもらうことがあまりなかった。とても厳しく育てられて辛い思いをした。なども、自分の子どもを愛せない原因の一つになることがあります。また、子どもを虐待してしまう親は、その人自身が自分の親から虐待をされていた、ということもあります。要は、愛されていない・もしくは愛されていなかったと感じていると、どう愛して良いのか分からないのです。

自己否定が強いケースも、幼ない頃から親に「あんたは何をやっても駄目だ」と否定されたり、失敗を受け入れてもらえなかった場合があります。もし自分を愛せていない・自己否定が強いと感じている場合は、カウンセリングで心の傷を癒すことに取り組んでみるとベターかもしれません。子育てに限らず、仕事や恋愛でも自己否定感は大きく影響してきます。生きづらさを解消するためにも、信頼できるカウンセラーを見つけてみてはいかがでしょうか。

助けを求めることが大事

初めて母親になった人はこう思うかもしれません。

「子どもを虐待するなんて理解ができないと思っていたけれど、いざ自分が母親になったら、自分ももしかすると子どもを叩いてしまうのでは…」

と。友達の子どもや姪っ子・甥っ子を見て可愛いと思っていたとしても、やはり子育ては想像以上に色んなことが起こり、精神的負担につながることも沢山あるでしょう。子育てだけではなく、仕事や家事にも追われて、自分の時間をほとんど持てずにいる母親も多いのではないでしょうか。やはり余裕がないと人は、誰かに愛情をかけるということも難しくなっていきます。

「ワンオペ育児」という言葉を最近はよく耳にしますが、1人体制で24時間家事や育児に翻弄する母親も多いのが実際です。そんな中で

「心に余裕をつくりましょう」
「子どもをもっと可愛がる努力をしましょう」


なんて言われたとしても、更に追い詰められてしまい、子どもが可愛いと思えなくなる悪循環に陥ってしまう…ということもあるでしょう。

できれば、地域にある保健センターや、子育て支援センターに助けを求めてください。子どもを一時保育に預けて、数時間でも子どもと距離を置くのも良いでしょう。もちろん、カウンセラーにとことん話しを聴いてもらうのも良いでしょう。しかし実際は、誰かに助けを求めることは迷惑になるんじゃないか、恥ずかしいことなんじゃないか、と思ってしまう人も多いでしょう。人に頼ることは自分が弱いから甘えているだけだ、そう感じる人も多いと思います。 しかし、人に助けてもらう経験をすると、元気になったときに人の痛みがわかる優しい人間になります。人の温かさに触れて、愛情に触れて、より寛容な人に成長するかもしれません。辛いときに助けてもらうことは決して甘えではないのです。

また、いつもいつもしっかり子どもに愛情を注ぐことは難しい、と割り切ってみても良いかもしれません。やはりどんなことでも、思うようにならないことは発生します。自分や子どもに過度な期待をかけすぎず、「うまくいかない時もある」と思えると良いかもしれませんね。