心理の資格の学習をしていれば、1度は目にすることのある「クレッチマーの性格類型論」。ドイツの精神医学者であるクレッチマーは、性格と体型には相関関係があると主張しています。早速、詳しく見ていきましょう!
性格は分類できる!
心理学では、性格を類型論と特性論という2つの分類法に分けて考えています。
特性論
特性論とは、人間のパーソナリティを活動性、社交性、依存性などの12の特性の集合体として捉え、それぞれの要素をどれだけ持っているかで全体像を見るものです。
代表的なテストとしては矢田部ギルフォード性格検査(Y・G性格検査)などが知られています。このテストでは、12項目の得点を結び、描かれた線がどのパターンに該当するかで、その人の性格を読み取ります。
類型論
類型論とは、性格をいくつかの類型に分ける考え方で、冒頭で触れたドイツの精神医学者クレッチマー(1888~1964)は代表的な類型論である体型性格類型(※)を提唱しました。
※テキストによっては、呼び方が若干異なる場合があります。
クレッチマーの体型性格類型とは?
ここでは、最も有名である、クレッチマーの類型論を取り上げます。
クレッチマーは、精神病の患者と接するうちに、患者の体型に、ある一定の傾向が見られることに気づきました。躁うつ病は、肥満型の人に、統合失調症は、痩せ型の人に多く見られたのです。また、てんかんの患者には比較的筋肉質の人が多いことも分かりました。
そこで、クレッチマーは、人の体型と性格にはある一定の関係があると考え、体型を3つに分けて、病気ではない人の性格にも注目して研究を進めました。すると、精神病でない人も、体型と性格には関連があることが分かったのです。
クレッチマーは、それぞれの特徴を次のようにまとめています。あなたの体型は3つのうちどれに当てはまるでしょうか?
肥満型〜躁うつ気質〜
社交的で温かみがあり、親切で、ユーモアがある。ただ、感情にムラがあり、生き生きしているかと思えば、突然落ち込むこともある。
痩せ型〜分裂気質〜
静かで控えめ、また、温和である。自分の世界に閉じこもりがちで、周囲の動きや人とのコミュニケーションには関心が薄い。また、神経質で生真面目な一面もある。ちょっとした言動に敏感に反応する一方で、他人の気持ちには無頓着な部分も。
筋肉質型〜粘着気質〜
几帳面で真面目。また、正義感が強く、頑固で自分の意見を押し通すことが多い。気に入らないことが多いと、突然激しく怒り出すこともある。秩序を好み、物事に熱中しやすい。
3つの型しかありませんので、ぴったり当てはまるということはないかもしれませんが、もしかしたら部分的に当たっているところがあるかもしれませんね。
もちろん、体型だけで、すべてを判断するのは不可能だと思いますが、身近な人に当てはめて考えてみるのも面白いかもしれません。
性格の分類や、クレッチマーの類型論についてご紹介しましたがいかがでしたか?
性格は1人1人違うものです。しかし、全ての人の性格を個別に研究することは不可能なので、今回ご紹介した類型論のように、人の性格を少数のパターンに分けることで、性格を理解しようと研究が進められています。
今回のコラムに興味を持った方は、性格心理学を勉強してみると良いかもしれませんね。
【参考書籍】
性格心理学がとってもよくわかる本 (イラストで見る!やさしい心理学入門) 瀧本孝雄 東京書店 2008 P132~139
図解 すぐに使える!心理学 渋谷昌三 PHP研究所 2013 P14~15
決定版 面白いほどよくわかる!心理学 渋谷昌三 西東社 2017 P256
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