心理カウンセラーになるには?役立つ資格や仕事内容も紹介

仕事内容・条件・資格・なるには 心理カウンセラーなるには心理カウンセラー
心理カウンセラー
この記事を書いたのは
城川 光子

公認心理師・臨床心理士・産業カウンセラー試験合格。心療内科クリニックでのカウンセリング、小学校スクールカウンセラーなどを経験。
2児の母として子育てをしながら、「心理資格ナビ」の記事監修も担う。

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心理カウンセラーとは?

心理療法によりメンタルケアをする専門家!

心理カウンセラーは、相談者(クライアント)の悩みを聞き、その悩みを解決に導く職業です。「心理カウンセラー」という用語自体は、一般的にはカウンセリングを行う人や団体・機関の認定する資格の名称にも使用されるなど幅広い意味合いで用いられます。

なお、「心理カウンセラー」という名称の公的資格は存在せず、「認定心理士」「メンタル心理カウンセラー」といった資格名の一部に「心理」「カウンセラー」が入っていることが多いです。

心理カウンセラーになるには?資格は必要?

カウンセリング活動自体には資格は必要ない

結論から申し上げますと、心理カウンセラーとして活動すること自体には、資格は必要ありません。

部下のメンタルケアやボランティアとしてのカウンセリング活動などは資格を取らず、必要に応じた心理学を勉強することでカウンセリングに事足りるケースも多く、資格を取得していないことも問題はないでしょう。もちろん、資格を取得するに越したことはありません。

部下のメンタルケアにおすすめの勉強は、「メンタルヘルス・マネジメント検定」です。

お金をもらう場合は心理カウンセラーの知識・技量が求められる

しかし、相談者から料金をいただく心理カウンセラーを目指す場合は、心理学的な知識や技術、あるいは医学的な心理療法などに基づいて行われます。料金を支払うクライアント側も、心理カウンセラーだからこそできる知識や技量を生かしたケアを期待することでしょう。

結果として、心理カウンセラーの資格を持ち、それを活かしたカウンセリングがクライアントの獲得や満足度に繋がることになります。

良質なカウンセリングを行うための知識と技術を身につける

心理カウンセラーとして収入を得るためには、心理学に関する知識やカウンセリング技術が不可欠です。自分で書籍を購入したりインターネットで調べたりすれば基本用語は覚えることができますが、それだけでは心理カウンセラーの業務に必要な技術が習得できません。

かといって、「今から大学で本格的な心理学を学ぶのは難しい」と諦めるのはまだ早いです。主婦・会社員・社会人で心理カウンセラーを目指す際の強い味方がいます。それが社会人向けの資格スクール。

ヒューマンアカデミーや資格のキャリカレを筆頭とする各スクールは、「社会人になってから初めて心理の勉強をする人」に向けた講座を取り揃えています。「働きながら」「家事をしながら」という想定で学習方法やカリキュラムを組んでいますので、自分で全てを調べるよりも学習効率が抜群に良いのが特徴です。

本サイト「心理資格ナビ」では、おすすめの「社会人向け」かつ「初心者向け」の心理カウンセラー講座を数多く紹介しています。最安値だと2万円程度〜と家計にも優しい講座です。

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初心者向けの心理カウンセラー資格を紹介!

協会認定の民間資格がおすすめ!

心理カウンセラーの資格の種類は多いですが、後述の「公認心理師」以外は、すべて民間資格です。初心者の社会人の場合は公認心理師のハードルは高いため、協会の認定した資格を目指すのが無難でおすすめです。

おすすめの心理カウンセラー入門資格

「公式の協会が認定」「初心者向きの難易度」「低予算(2~5万円程度)」の3拍子がそろった、定番の心理カウンセラー入門資格を2つご紹介します!

メンタル心理カウンセラー

メンタル心理カウンセラーは、日本能力開発推進協会(JADP)の認定を受けた資格です。通信講座で受講でき、受講料も他の資格と比べて安い2万円台と、初心者でも取り掛かりやすくなっています。

「施設の利用者との会話に役立てたい」「プロのカウンセラーになる訳ではないが、心理について学びたい」といったニーズに応えた内容になっています。

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メンタルケアカウンセラー

メンタルケアカウンセラーは、大手「ヒューマンアカデミー」が開講する心理カウンセリングの第一歩として非常に人気の高い資格です。協会の認定も「メンタルケア学術学会」「生涯学習開発財団」「ヘルスケア産業推進財団」3つから受けており、信頼性も高い資格です。

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尚、心理カウンセラーの関連資格については『心理カウンセラー資格一覧&解説』で詳しく紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。

国家資格は「公認心理師」のみ

2022年4月現在、心理学に関する国家資格は「公認心理師」ただ1つです。

公認心理師の資格を取得するには国家試験に合格する必要があります。また、受験の条件として4年制大学の心理学部等で専門のカリキュラムを受講したうえで、心理系の大学院で指定科目の履修するか2年以上の実務経験が必要です。

ハードルが高いように思えるかもしれませんが、人の命や生活にかかわる心理分野の専門家として、しっかり学べるカリキュラムが必要だとされています。
公認心理師が気になる学生の方は下記の関連記事をご覧ください。

公認心理師の資格は初心者には敷居が高いため、先述の「メンタル心理カウンセラー」「メンタルケアカウンセラー」がおすすめです。

心理カウンセラーの仕事内容

カウンセリング以外の業務も把握しておきましょう!

「心理カウンセラーの仕事って何するの?」という質問に対する回答は「相談者に寄り添った心理カウンセリングを行う」だけで満点と言えるでしょうか。

個人で集客をしてカウンセリングを行う場合は、形式的には「お客様のカウンセリングをする」以外に何も行わないことも可能ではあります。しかし現実的には、個人事業の場合も副業の場合も、お客様のカウンセリング記録をつけるなどの関連業務が必要です。必要に応じて心理アセスメント(心理学に基づいた検査を行い、結果を分析すること)も行うこともあります。

基本的には、カウンセリング以外の業務もあることを頭に入れて資格の勉強に臨んだ方が良いでしょう。講座のカリキュラムにも、心理カウンセラーの具体的な仕事内容について学習する単元が含まれているはずです。

心理カウンセラーの仕事について詳しくは下記の関連記事で紹介しています。

心理カウンセラーの活躍の場

学校などの教育現場

心理カウンセラーが活躍する現場の一つは学校です。

学校内でのいじめや不登校はもちろん、子どもによる犯罪、災害等によるPTSDのケアなど仕事は多岐にわたります。

また、生徒だけでなくその保護者や教員などへのカウンセリングや専門家としてのアドバイスをすることもあります。

医療機関

精神科や心療内科、メンタルクリニックなどで、医師と連携して心の病を抱えた患者さんの治療にあたります。

カウンセリングをはじめ、心理テストなどを使った心理検査を行い、患者さんの状況を把握します。そして、認知行動療法などの心理療法を用いて心を解きほぐすお手伝いをします。

民間企業

産業カウンセラーとして、企業で働く人たちのメンタルサポートをする心理カウンセラーもいます。

カウンセリングの他に、ストレスコントロールやメンタルヘルスについての講義を行うこともあります。

独立・開業

現場で経験を積んだ方の中には、カウンセリングスキルを活かして自身で独立・開業する心理カウンセラーもいます。

カウンセリングは特別な器具や広いスペースも必要なく、自宅の一室でも開業できるので、心理カウンセラーは独立しやすい職業だと言えるでしょう。

しかし、カウンセリングサロンやカウンセリングルームを開業するとなると、あらゆる悩みに対応できなくてはなりませんので、それまでの経験はもちろん、開業してからも常に勉強が必要になるでしょう。

心理カウンセラーの収入

1年目の年収は300~400万円程度

心理カウンセラーの1年目の年収は、取得する資格や働き方によりますが「年収300〜400万円程度が主流」のようです。

「メンタル心理カウンセラー」など入門レベルの資格を取得して児童関連施設や介護福祉施設に勤める場合の初任給は20~22万円程度+賞与で年収300~350万円程度。基本給は社会人経験や業界経験によって加算されることがあります。

初年度から比較的高い年収を狙うのであれば、公認心理士や臨床心理士など高いレベルの資格を取得し、病院でカウンセラーとして採用される、あるいは独立の場合は集客等のビジネススキルを身に付けるなどの努力が必要です。

副業やアルバイトの場合は時給1000~1500円程度

一方、副業やアルバイトとして心理カウンセラーの活動を行う場合は、時給1000〜1500円程度となります。心理カウンセラーのマッチングサービスなども活用して、個別カウンセリングの経験を積むと、スキルが上がるため必然的に時給アップの評価にも繋がりやすいでしょう。

手に職つけるための心理カウンセラー講座は下記のリンクにまとめています。無料の資料請求で、やりたいことや希望に1番合いそうな講座を比較・検討してみてください。

心理カウンセラーの収入事情や収入を増やす手段について、詳しくはこちらの記事で解説しています。

心理カウンセラーに向いている人は?

自分も相手も大事にできる人!

色々な考え方があると思いますが、カウンセラーに向いているのは「自分も相手も大事にできる人」という風にも言えるかもしれません。

カウンセリングを学ぶ者なら一度は聞いたことがあるカール・ロジャーズ(Carl Rogers)傾聴の3条件自己一致無条件の肯定的配慮共感と言われています。それらを紐解いていきながら、カウンセラーに必要なことを考えていきましょう。


① 自己一致
まず「自己一致」とはカウンセラーが自身が自分自身の感じていることに開かれていて、ありのままを受け入れていることです。

例えば「私は落ち込んだりしない」と思っている人が、他の人から「いま落ち込んでいるんだ」と相談されたら、「そんなことないよ。元気出して。」と言うかもしれません。落ち込む自分を否定していると、相手の落ち込んだ気持ちも受け入れられず、つい励ましや解決策を提案してしまいがちです。自分の気持ちさえ受け入れていないのに、他人の気持ちを受け止められないですよね。

同じように、怒り、悲しみ、辛さなどネガティブなもの、あるいは嬉しい、楽しい、自分のことを大事に思うなどポジティブなものを受け入れている人が、相手のそのような気持ちも受け入れることができます。特に自分のネガティブなものを見つめて受け入れるには勇気と根気が必要ですが、自分の弱さも強さも、人間らしさ全部ひっくるめて大事にできていることが、あるいは大事にしようと心がけていることが、カウンセラーとしての1つのポイントではないでしょうか

② 無条件の肯定的配慮
次に「無条件の肯定的配慮」とは相手を一人の人間として尊重し、大事に思い、関心を持つことです。その人の可能性についても、その人の弱点や問題についても、温かい気持ちで接していきます。

ただ常に完璧な無条件の肯定的配慮というのは難しく、カウンセラー側にも「もっとこうしたらいいのにな」などとよぎってしまうこともあるかもしれません。そういう時はそう思ったことを自覚し、いったん脇に置いて、相手の話に集中し、必要があれば思ったことを伝えるかもしれないし(役に立つこともあります)、そのまま話を聞き続けるかもしれません。

常に相手の全てを肯定することに固執せず、時には揺れる自分も感じながら、相手を大事に思いやる努力をすることが重要なのではないでしょうか。

③ 共感
最後に、「共感」とは、自分を保ちながら、相手の体験している感情や意味を捉えようとすることです。 似ている言葉の「同情」は相手と自分が一体化してしまう状態で、共感とは区別されます。

例えば、「相手が大切な人に裏切られてつらい」、という時に、「仕方ないよ」「忘れようよ」などと言わず、どんな風な辛さなんだろう、どういう風に感じているんだろうと、自分の中に感じる感情や感覚も手がかりにしながら聞いていき、時には必要に応じてこちらが感じたことも伝えたりもし、相手からその通りだとか少し違いますなど修正されつつ、話が深まっていくと、つらさの奥に「怒り」を見つけたり、過去に似たようなことがあってその部分にも反応していることを発見するということがあります。

このように、体験をそのまま一緒にじっくりと感じつつも、自分を見失わずに自分の感覚も保って時には伝えること、その両方が共感となり、カウンセリングを深めていくことにつながります。


自己一致 ・無条件の肯定的配慮・共感と見てきましたが、カウンセリングとは自分自身を大事にしていて、感情によく開かれていて、自己を保っていられることと、相手を思いやり尊重し、相手の世界をそのまま大事にすることと、両方が必要なのではないかと思います。

もう少し付け足すと、共感することは集中力とエネルギーをとても使います。つらい気持ちを聞いている時にこちら側にも影響することもあり、そこにとどまることができる忍耐力も必要です。精神力とも言えるかもしれません。そして疲れてきた時にうまく自分を労わることで元気を取り戻していく、切り替え力も必要かもしれません。 自分なりに好きなことや元気をチャージできるものを多く身につけておくといいと思います。

何より、自分がカウンセラーに会おうと思うのはどんな時でしょうか?

本気で困っている時ですよね。そう言う時には、やはり人として誠実で本気で生きている人に聞いてもらいたいのではないでしょうか。適当に軽く流して生きるより、しっかりと自分の人生に向き合い、前に進んでいくことも大事な要素だと思います。

■ 参考文献
・Rogers,C(2005)『ロジャースが語る自己実現の道』諸富祥彦・末武康弘・保坂亨訳、岩崎学術出版社
・Rogers,C.(2007)『人間尊重の心理学ーわが人生と思想を語る』畠瀬直子訳、創元社
・氏原寛・亀口憲治・成田善弘・東山絋久・山中康裕共著(1992)『心理臨床大辞典 改訂版』培風館

心理カウンセラーの将来性

現在、心理カウンセラーは非正規雇用が多く、非常勤として複数の現場を掛け持ちしている方がほとんどです。あまり安定しているとは言えません。

しかし、近年、心理カウンセラーの需要は増えつつあります。
例えば学校では、深刻ないじめ問題や少年犯罪の低年齢化を受けて、今までは主に中学校に置かれていたスクールカウンセラーを小学校にも配置する例が増えてきました。
また企業でもうつ病やハラスメントなどの相談窓口としてカウンセリングルームを設置する企業が増えてきています。

こういった現状をうけて、2018年には心理系資格唯一の国家資格である公認心理師が整備されるなど、国も少しずつ心理学という分野に対して動き始めています。

今後、心理カウンセラーの社会的地位が確立されれば、雇用の安定や待遇の改善も十分にあり得るでしょう。

心理カウンセラーを目指すなら

心理カウンセラー関連の資格取得をおすすめします。

心理カウンセラーを目指すのであれば、知識・スキルがあることを証明するためにも関連資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。

本格的に幅広く心理カウンセラーとして活躍していきたい、という方には『公認心理師』と『臨床心理士』のダブルライセンスをおすすめします。公認心理師・臨床心理士の資格を取得するには、通常、大学大学院で所定のカリキュラムを修了し、受験資格を得た上で試験に合格する必要があります

詳しくは下記のページでご紹介していますので、合わせて参考にしてみて下さい。

産業カウンセラー』など、各資格の認定団体が指定する講座を修了することで受験資格が得られるものもあります。

まずは心理カウンセリングについて触れてみたい、基本的な知識やスキルをひとまず学んでみたい、という方には、心理カウンセラー養成学校心理カウンセリング関連の資格スクールでの学びが気軽に始められ、自己理解や周囲との人間関係にも役立つでしょう。手始めにチャレンジしてみてもいいかもしれません。

大切なのは、心理カウンセラーとしてどのようになりたいのかを決めることだと思います。そのうえで、必要な知識・スキルを身につけられる(証明できる)資格を選ぶとよいでしょう。

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