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依存、共依存、共依存恋愛とは|苦しい恋愛を心理学観点からみる

更新日: 2018/01/30

社会問題にもなりつつある共依存の問題

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カウンセラーのたまきです。いつの時代も多くの人が恋愛で悩み、苦しみ、辛い思いを経験してきました。最近ではよくメディアでも取り上げられるようになってきましたが、夫婦や恋人間でもパワーハラスメントやモラルハラスメントといった問題が発生することも多くあるようです。

そしてまた、『共依存』も注目すべき問題の1つです。

共依存とは、元々はアルコール依存症の問題から生まれた言葉です。アルコールにのめりこんだ依存者に対して、家族などが甲斐甲斐しく世話を焼き支えることで、自身の存在価値を見出している状態になることがあります。このような場合、お互いがお互いに依存し合う関係性、すなわち共依存になっているのです。一見、アルコール依存症の方だけが相手に依存しているようにも見えるのですが、実は世話を焼き支える側こそ、自分が必要とされている状況に依存しいる状態なのです。これは、アルコール依存症だけではなく、ドメスティックバイオレンスやギャンブル依存症などで、広く当てはまる場合があります。

つまり、共依存とは、ある人間関係に自分とその相手が過度に依存し合っている状態のことを指します。

特に「共依存恋愛」に陥っている人は、意外にも多いと言われています。そばで見ると2人だけの世界観を持つラブラブなカップルに思えても、実は共依存恋愛のカップルだった、ということも少なくありません。私がカウンセリングをおこなう中でも、共依存の関係性からどうしても抜け出すことができずに苦悩を抱える女性や、うまくパートナーとの間に境界線が引けず何でもかんでも干渉してしまう自分に嫌気が差してカウンセリングにくる男性など、共依存恋愛のご相談も多いのが実情です。

「依存」とは、相手に頼らなければ自分を満たせない状態のことを指します。要するに相手に全てを委ねて寄りかかっている状態です。重い女だと思われて別れを告げられるパターンを繰り返してしまう、といった相談がカウンセリングの案件として増えているような気がしますが、どちらかが一方的に相手に依存してしまい、恋愛関係が上手く立ち行かなくなるのです。まだ自己が確立していない年齢の若い内は、恋愛で依存したり依存されたりするパターンもしばしば起こりうると思います。

しかし「共依存」は、両方がお互いに過度に依存し合っているので、別れたくても別れられなかったり、「この人には私がついていなきゃダメだ」と思い込んだりして、とても苦しい関係性になってしまいます。相手の存在なしでは生きていけないような感覚に囚われてしまうこともあり、自分を見失っていきます。ではなぜ、共依存恋愛が起こるのか考えてみたいと思います。

共依存恋愛に陥ってしまう理由とは

誰かに必要とされたい、役に立ちたいという欲求は当然誰しもがもっている自然な感情です。しかし、その気持ちが行きすぎてしまい、自分よりも他人の問題や世話に夢中になってしまうのが共依存症です。

共依存恋愛に陥ってしまう理由の1つに、自己価値が低い・自尊心がないという問題が上げられます。自己価値が低かったり自尊心がないと、自分の存在価値を証明するためには誰かの役に立っていなければならないと感じるのです。

その原因の1つに、親子関係が関わってきます。幼少期に両親から適切な愛情を注いでもらえなかった場合、子どもは「私が悪いから愛されない」「私は愛されない存在だ」「私は大事にされない存在だ」というセルフイメージを形成していきます。そのセルフイメージは根強いものになり、大人になっても自分は価値がある人間だと到底思えなかったり、自分は尊い存在だと感じられなくなるのです。

「毒親」という言葉が最近メディアで使われるようになりましたが、親が過干渉で子どもを一人の主体的な人間として認めずに何もかもコントロールしようとするケースがあります。そうすると子どもは親の過度な期待に答えようと必死になって頑張ったり、褒めてもらうために自分の感情を押し殺して我慢をし続けてしまいます。親自体が子どもと自分の境界線を感じられず、いつも勝手に子どもの領域に入り子どもの進路や生き方を指図している状態だと、子どもは自分に自信が持てなくなってしまい、自己価値の低下や自尊心の欠如につながってしまうのです。

共依存に陥ってしまう人は、幼少期にとても傷ついた経験をした人も少なくありません。共依存になってしまうのも必ず理由がありますので、まずはカウンセリングで自分を見つめることに取り組んでみるのも良いと思います。そして自己価値を見直すことや自尊心を高めることも大切です。誰かの世話を焼くことや役に立つことで存在意義を見出すのではなく、存在意義を自分の中で確立することができると良いでしょう。

共依存と回避依存について

恋愛共依存に陥っているカップルは、片方が共依存症で、その相手の多くは回避依存症だと言われています。共依存症は相手なしでは生きられず自分よりも相手の問題や世話ばかりを焼いている人ですが、回避依存症は親密な関係性を築くことを回避している人のことを指します。

回避依存にもいくつかパターンがあるので一概にこれとは言えないのですが、多くのケースで存在するのが、女性が世話を焼き、男性が相手を振り回すといったパターンです。この場合、回避依存の男性は、正しいのは全て自分だという態度で、相手を見下したり、時には暴力で相手をコントロールしようとしたりします。一方、共依存の女性は身体的・精神的にダメージを受けていても「この人は私がいないとだめだ」「彼を何とか助けてあげたい」という考えに陥ってしまいます。このような、離れたくても離れられない関係性は実に多く存在します。

回避依存症と共依存症はペアである、とも言われています。まるで鍵と鍵穴のような関係性です。どちらかが支配やコントロールをする一方、どちらかが従い支えるのです。しかしドメスティックバイオレンスやパワーハラスメント、モラルハラスメントといった行為や言動を、「私が何とかしてあげたい、助けてあげたい」という一心で許し続けてしまうと、それは暴力や精神的虐待を助長してしまうことにも繋がってしまいます。あまりに苦しい、別れたくてもどうしても別れられない恋愛をしているなと感じたら、自分が共依存症に陥っていないか考えてみることも大切と言えるでしょう。

しかし、回避依存にせよ共依存にせよ、機能不全家族の中で育ったり、親に必要以上の干渉をされてきたり、情緒的な虐待があったりと、幼少期にとても傷ついた経験をもっている人が多いのが実際です。とても傷ついた過去は思い出したくない、忘れてしまいたいと思うのが普通の反応ですが、恋愛でとても苦しんでしまうのは幼い頃からの心の傷が癒えていないと考えてみても良いかもしれません。

信頼できる心理カウンセラーを見つけて、自分の体験を話し聴いてもらうことにより徐々に整理がつくこともあります。一人で何とかしようとせず、心理カウンセラーを頼ってみるのも良いと思います。