バーナム効果とは?日常生活やビジネスシーンで使われる例を紹介!

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誰もがかかりやすいバーナム効果とは

心理学用語の一つに「バーナム効果」というものがあります。実はバーナム効果は、ほとんどの人が日常生活の中で知らず知らずのうちに体験しています。

バーナム効果を簡単に説明すると、誰にでも当てはまる性格の特徴などを言われ、さも自分だけに当てはまっていると勘違いしてしまう心理学の現象のことを指します。別名フォアラー効果とも言ったりしますが、元々はアメリカの心理学者であるポール・ミールが興行師であるバーナムの「誰にでも当てはまる要点というものがある」という言葉に因んで名づけたのがバーナム効果です。

例えば、「あなたはとても傷つきやすい一面をもっています」「あなたは社交的な一面をもっていますが、本質は一人でいる時間も大切にしたいタイプです」「あなたは実は素晴らしい才能を沢山もっているのですが、上手に活かしていません」などと言われ、「何で私のことをこんなに解るのだろう」と思ってしまうのが、バーナム効果が働いている証拠です。よくよく考えてみると、実はあなただけではなく多くの人に該当することなのです。

バーナム効果は、私たちの日常で沢山発見できます。では、一体どのような場面でバーナム効果が働いているのか考えてみたいと思います。

占いや心理テストでのバーナム効果

血液型占いを好み信じているのは全世界で日本人だけだ、と唱える学者も多くいますが、多くの人が知っている血液型占いはバーナム効果が働いていると言えるでしょう。血液型占いは、科学的根拠は全くありません。心理学の研究でも、血液型とその人の性格の関連性について因果関係を示すような結果はでていないようです。

そうとは知っていても、何となく当たっていると感じるのは、誰にでも当てはまるような項目が書かれているからです。例えばA型だったら、多くの血液型占いの本に「あなたは真面目で几帳面です」と書かれています。確かに多くの人が真面目で几帳面な一面ももっています。しかしよく考えてみると、A型の人に限らず他の血液型の人も該当するようなことなのですが、A型の人は「確かに自分は真面目で几帳面な一面もある!当たっている!」と思い込みやすいのです。

バーナム効果にかかるメカニズムは?

確証バイアスが影響している

こうした占いは「確証バイアス」という現象も同時に働いていることが多いでしょう。確証バイアスとは、自分が信じている証拠にばかり目がいき、自分が信じていることに反する証拠から目を背けてしまう現象のことを指します。A型だからと言ってA型の人全員が真面目で几帳面とは限らないのに、バーナム効果が働いて当たっていると信じ込んでしまい、実際に実在する真面目で几帳面ではないA型の人から目を背けてしまうのです。

バーナム効果は他にも、街中の占いや心理テストでも発揮されています。特に自身の精神状態が不安定なときや権威者から言われたことに対しては、強くバーナム効果が発揮される可能性があるのです。

例えば、予約も半年待ちで雑誌やメディアでも当たると評判の占い師に会いにいくとしましょう。仕事で自信を失ってしまい精神が弱っている状態のときに、「全く問題ありません。大丈夫です!あなたにはまだこれから発揮される才能があります!」と言われると、そう信じ込みやすいと思いませんか?人は精神が弱っているとき、特に褒め言葉や前向きな言葉を信じたくなる傾向にあります。そして権威者の言っていることは正しいと思い込みやすいので、相手の言葉を簡単に受け入れてしまいがちなのです。

心理テストでも「日常生活で多少不安をもったり、ときには悩むこともあります」という項目があれば大抵の人がYESと答えると思います。なぜならちゃんと感情をもって生きている人間である限り、不安や悩みを持たない人はいないからです。しかし、「これは私にとても当たっている!」と感じてしまうのは、バーナム効果が発揮されているからです。

占いや心理テストは、よく考えてみると一般的に多くの人に該当することの方が多いです。あまり真に受けずに「自分が楽しむ」ためのツールとして活用するのは良いことですが、信じ込みすぎるとお金を沢山使い過ぎて困ったり、占い師の言いなりになって洗脳されてしまうこともあります。このバーナム効果が働いているという事実を知っているだけで、しっかり境界線を持って活用することができるのではないでしょうか。

バーナム効果を最大化する4つのポイント

特定の相手に向けているように見せる

バーナム効果は「多数の人に当てはまることだ」と気づかれてしまっては効果がなくなってしまいます。そのため、占いなどでは星座や血液型、名前や生年月日などを聞き出し、「自分だけに言われている」と感じさせるテクニックが用いられます。

バーナム効果を使う際には「みなさん」など多数の人に向けるワードは使わず、「あなたは」「〇〇さんは」など、主語を特定の個人にするよう心がけることで、より高い効果を得られることでしょう。

発言者の信頼性を高める

例えば有名で予約が取れない占い師とショッピングモールの片隅で占いコーナーをやっている占い師とでは、前者の占いを信じますよね。
このように、バーナム効果はその内容を述べる人の肩書きや権威に左右されます。

有名人や大企業の社員などの言葉であれば、よりバーナム効果を高めることができるでしょう。
そういった人でない場合も、詳細な情報ソースを提示したり、その道の権威者の言葉を借りるなどすることで、自分の言葉を補強することができます。

ポジティブな内容を多くする

先程「確証バイアス」でもお話しした通り、人は自分にとってプラスな事柄を信じようとする傾向にあります。

そのため、その人にとってネガティブなことを言うよりも、ポジティブなことを伝える方が信じてもらいやすくなります。

より当てはまりやすい言葉を用いる

より多くの人に当てはまるような言葉選びも重要です。

例えば「あなたは悩みがありますね」と尋ねた場合、稀に思い当たる悩みがないという人もいます。しかし、「自身でも気づいていない小さな悩みがありますね」といえば相手は特に悩みを持っていなくても解釈の幅を広げて、「あのことかもしれない」と勝手に悩みを探してくれるでしょう。

なるべく例外者を漏らさないように間口を広げた言葉選びをするのが、バーナム効果を最大化するカギになります。

ビジネスシーンでのバーナム効果

ビジネスシーン、特にセールストークでは多くの企業が関心を抱いていることや担当者が陥りやすい悩みを指摘して、相手を理解しているように見せることで商品の成約率やサービスの利用率アップが期待できます。

例えば、最初から「パスワード管理ソフトの説明をさせてください」と言うよりも、「様々なパスワードを管理するのが大変だと感じていませんか?」と質問することで、相手側は自分たちの問題を理解してくれていると感じ、その後の話に耳を傾けてくれやすくなります。

恋愛でのバーナム効果

恋愛では、相手との距離を縮めたり好意を持ってもらうためにバーナム効果を意識的に使うことが可能です。人は精神が弱っていない状態のときでも、自分に対して言われた褒め言葉や前向きな言葉は、自分にぴったりの言葉と認識する傾向があります。

「あなたは実はとても心がビュアな人ですね」「あなたは実は周りをよく見ていて気遣いをする人ですね」などと誰しもが該当しやすい褒め言葉を相手に伝えます。すると相手は「この人は自分のことをよく理解してくれる人だと」思うようになり、好意を抱きやすくなるのです。理解をされている、ということに対して人間は安心感や親近感を覚えやすくなるので、恋愛では使いやすいと言えるでしょう。

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