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カチッサー効果とは

更新日: 2018/06/12

こちらの頼みごとが通りやすい?!カチッサー効果とは

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心理現象の一つに「カチッサー効果」というものがあります。カチッサー効果とは簡単に説明すると、自分が他人にしてほしいことや頼みたいことを要求するときに、何かしらの理由付けをすることにより、相手に承諾されたり承認されやすくなる、という効果のことを指します。

書店でよく見かける恋愛指南書や恋愛心理学の本にも、このカチッサー効果について書かれているのを目にしたことが度々ありますが、誰でも簡単に日常で使える心理学効果と言っても良いでしょう。

カチッサー効果の実証は、心理学者であるエレン・ランガーがおこなった、とても有名な『コピー機の実験』というものがあります。どういう実験かというと、順番待ちをしているコピー機の一番先頭に行って、3通りの言い方で「先に5枚コピーをさせてほしい」と自分の要求を伝えるというものです。 一番目は

「すみません、5枚なのですが、先にコピーを取らせてください。」

と、ただ自分の要求のみを伝えるものです。二番目は

「すみません、5枚なのですが、急いでいるので先にコピーを取らせてください。」

と、「急いでいるので」と理由を付け足して要求を伝えるもの。そして三番目は

「すみません、5枚なのですが、コピーをとらなければいけないので、先にコピーを取らせてください。」

と「コピーをとらなければいけないので」と、あまり理由になっていないような言葉を付け足して要求を伝えるものです。

この実験の結果、先にコピーを取らせてもらえた承諾率は、一番目が60%でした。そして二番目が94%、三番目が93%という結果になったのです。要求だけを伝えた一番目の文言よりも、理由を付け足した文言の方が、グンと承諾率が上がっているのが判ります。三番目の「コピーをとらなければならないので」という理由付けは、先にコピーを取らなければいけない理由と直接的には関係はしていませんが、それでも要求の前に理由付けするだけで、承諾率の成功パーセンテージが一番目に比べて明らかに高くなることが判ります。この実験のように、理由の内容に関わず、自分の要求の前に何かしらの理由を付け足した方が、要求を受けた側は承諾してくれる可能性が高くなるのです。

また、このカチッサー効果、少し変わったネーミングですが、語源はテープレコーダーの再生ボタンを押したときの「カチッ」という音と、その後に流れる「サー」というような砂嵐の音が語源となっているそうです。 では、このカチッサー効果、私たちの日常のどのような場面で使うことができるのか考えてみたいと思います。

カチッサー効果は恋愛や夫婦間でも多いに役立つ!

カチッサー効果を上手に使うことができると、恋愛の場面で多いに役立つかもしれません。例えば、好意を抱いている相手がいたとします。デートに誘うときに、

「今度の日曜日、一緒に映画でも観に行かない?」
「今度の日曜日、すごく面白い映画が公開されるから、一緒に映画でも観に行かない?」

と、どちらの文言が相手の承諾率が高いかお分かりでしょうか?答えは、後者の「すごく面白い映画が公開されるから」という理由を付け足している文言のほうです。ただ自分の要求のみ伝えても、相手がデートを承諾してくれる確率はそれほど高いものではありませんので、どんな理由でも構わないので付け足した方が成功率は上がります。

他にも、「気になっている映画があって」「君がとても好きそうな映画を見つけたから」「雰囲気の良い映画館を見つけたから」など、理由はどのようなものでも良いのです。

また、夫婦となると、相手にしてほしいこと・これだけは守ってほしいことなど、色々と要求も増えていきます。自分の要求を上手く相手に伝えることができれば良いのですが、

「どうしてこんなこともやってくれないの!」

と口論や喧嘩になってしまうケースも沢山あります。夫婦といえど、他人な訳ですから、コミュニケーションがうまくいかずに関係性にヒビが入ってしまうこともあるでしょう。そうならないためにも、カチッサー効果を使って、上手に自分の要求を伝えることを意識してみると良いかもしれません。

例えば、夫にゴミ出しを頼みたいとき。「明日の朝、ゴミを出してきて!」とただ伝えても、「朝は忙しいから無理!」と断られてしまい、「いつも何もやってくれない!私ばっかりが毎回ゴミ出ししてる!」と怒りが湧いてしまい、険悪な雰囲気になってしまう…ということもあるでしょう。 こういう場合は、「明日の朝、私は料理をしてるから、ゴミを出してきて」「明日の朝、ちょっとやることがあるから、ゴミを出してきて」と理由を付け足した方が、相手の承諾率がアップするかもしれません。

カチッサー効果とはあまり関係はないですが、夫婦間で物事を頼むときは、「命令系」ではなく「お願い」にしてみると更に良いでしょう。「明日の朝、私は料理をしているから、ゴミ出しをしてくれると助かるな。」など、語尾に「助かるな」「嬉しいな」「ありがたいな」などプラスの言葉を付け加えるだけでも、夫側の承諾率はアップします。男性は元々認められたいという気持ちが強いので、私はあなたを頼りにしているよ、というメッセージはとても嬉しいもので、やる気を駆り立てることもできるのです。

カチッサー効果を狙っても失敗するケースもある

カチッサー効果を狙い理由付けをすれば、何でもかんでも承諾率が上がる、という訳ではないことも実証されています。コピー機の実験の例えでは、先にコピーを取りたい枚数が「5枚」でしたが、これが「20枚」になると承諾率がグンと下がってしまう結果がでているのです。 一番目は

「すみません、20枚なのですが、先にコピーを取らせてください。」

と要求のみを伝える文言。二番目は

「すみません、20枚なのですが、急いでいるので先にコピーを取らせてください。」

と理由付け足して要求を伝える文言。三番目は

「すみません、20枚なのですが、コピーをとらなければいけないので、先にコピーを取らせてください。」

とあまり理由になっていないような理由付けをして要求を伝える文言です。すると先にコピー取らせてもらえた承諾率は、一番目が24%という結果になり、二番目が42%、三番目だと24%という結果になりました。

この実証結果のように、頼む要求が相手にとって困難な場合は、カチッサー効果は発揮されにくくなることが判ります。そして頼む要求が困難になるにつれて、付け足す理由も、あまり理由になっていないような内容に見合っていないものですと、承諾率が下がってしまう傾向にあるようです。 もし、難しい要求だったり、困難な要求を相手に承諾してほしい場合は、それ相当の理由付け考えて発言することが良いのかもしれません。

カチッサー効果は、恋愛や夫婦関係だけではなく、サラリーマンの営業の仕事など、商売など、様々な場面でも応用することが可能です。何か頼みごとがあるときや、相手からの承諾・承認を得たいときは、意識してカチッサー効果を使うようにしてみてはいかがでしょうか。