無意識のうちにハロー効果が働いている?!
心理現象の一つに「ハロー効果」と呼ばれる現象があります。このハロー効果、とても有名な心理現象なので、耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
ハロー効果を簡単に説明すると、ある対象を評価する際に目立つ特徴が与える印象によって評価が変わってしまう(歪めてしまう)ことを指しています。
ハロー効果は、心理学者であるエドワード・ソーンダイクによって名付けられました。ハロー効果のハロー(helo)とは、絵画でよくある聖人の後ろに描かれている後光のことです。日本では、後光効果・光輪効果と呼ぶこともあります。
このハロー効果、実は私たちの日常生活の様々なところで無意識のうちに現れています。例えば、パートナーを見つけるために合コンに参加したとしましょう。可愛らしい花柄のフリフリの服を着て、おっとりしたしゃべり方や仕草を見せる女性がいれば、「この子は女の子らしい優しい子だな」と感じることでしょう。
これはハロー効果が働いていて、その人の特徴が与える印象により、先入観である思い込みが働いているのです。実際に付き合ってみたら、とても喜怒哀楽の激しい自己主張の強い女性だった、ということもあるかもしれませんよね。
他にも、身だしなみが綺麗とは言えず、ボサボサの髪型をしていたり、着古した服を着ている男性に出会うとしましょう。最初は好印象を持つことができなかったとしても、実はその人がベンチャー企業の社長で年収二千万円のお金持ちだったと知ったら、「この人はすごい人なんだ」と、急に好印象を抱いてしまうこともあるかもしれませんね。
このように人間は、その人の見た目や外見、格好といった特徴だけで人の評価を決めてしまいがちです。そして実際に年収二千万を稼いでいるとはいっても、その人の人格が素晴らしいかどうかはわかりません。しかし、年収が高いだけで「有能な人」というイメージが付くのです。
ハロー効果は恋愛や仕事でも上手に使うことができれば、かなりの効果が期待できます。実際にマーケティングの仕事をしている人は、このハロー効果について熟知している人も大勢いるようです。では、恋愛や仕事でハロー効果を活かすためには、どうしたら良いのか考えてみたいと思います。
恋愛で活かす!ハロー効果
まず、好きな人や好意を抱いている片想いの相手に、どのように見られたいのか考えてみましょう。
「どう見られたいか」が明確でないと、ハロー効果を狙っても失敗してしまうことがあります。
例えば、彼の好みのタイプが色気のある女性だとしたら、セクシーで色気のある女性として見られたい!と思ってみても良いでしょう。
セクシーで色気のあるタイプになりたいのだとしたら、スリットの入ったタイトスカートをはく、ヒールの高いパンプスをはく、髪の毛をロングにしてかき上げる仕草をする、いつも姿勢を正しく心がける等、セクシーな服装を心がけ、仕草も色気を感じさせるように徹底します。そうするとハロー効果が働いて、意中の人のハートを上手に掴む可能性が上がります。
ただし注意点があります。あんまりにも本来の自分とかけ離れた人物になろうとするのはNGです。例えば、おとなしめの性格で自分からはあまり積極的に人に話しかけないタイプだったとします。
それなのに、意中の相手の好みの女性が「いつも明るくて太陽みたいな子」だと知り、気に入られるために無理矢理明るい自分を演じたり、無理して大きな声で積極的にしゃべるようにするとしましょう。
最初は相手の男性に「この子は明るくて良い子だな」と思わせることができ、好印象を持ってもらうことができたとしても、彼の前では毎回明るく演じることを一生懸命頑張らなければいけないので、そのうちそんな自分に嫌気が差したり疲れてきたりするでしょう。
そして、どんどん本来のおとなしくて消極的な性格を隠せなくなり、彼の前でも本来の自分が自然と顔を出すようになります。すると、最初に良い印象を与えてしまった分、かえって評価を下げてしまうことにも繋がってしまいます。
相手に好印象を与えたいが故に、本来の自分とかけ離れて演じることは要注意です。あくまで無理のない範囲で、相手に与えたい印象を考えてみると良いでしょう。
ビジネスで活かす!ハロー効果
今はインターネットを開けば、化粧品でもレストランでもカフェでも企業でも、「口コミサイト」というものが存在しますよね。例えばレストランを検索しているとき、口コミが高く高評価のお店をみると「ここは良いお店に違いない!」と思ってしまうことはないでしょうか。これもハロー効果が働いていて、イメージが先行して後光が差したように「良いところだ」と思い込んでしまうのです。
本を買うときもそうです。「自分を好きになる方法」という自己啓発系の本は本当に沢山発売されていますが、その中でも、メディアにもよく出ている有名大学の心理学の教授が書いた推薦文の帯が付いた本と、誰の推薦文も付いていない本では、どちらの方がよく売れるでしょうか。これは「推薦文の帯が付いた本」です。特に「メディアにもよく出ている」「有名大学の心理学教授」というだけで、「すごい人が推薦している素晴らしい本に違いない」という先入観を持ってしまうのです。
ネットビジネスやマーケティングの仕事で消費者の購買意欲を高めるためには、上記のように口コミサイトで高評価を得ている・権威者や専門家のお墨付きがあると、ハロー効果が働やすくなります。「雑誌で紹介された」「有名モデルの〇〇さんが愛用!」などの紹介の仕方も良いかもしれませんね。
また、コマーシャルだとその商品を良く見せるために、イメージに合ったタレントや有名人を使うことがほとんどです。洗剤のコマーシャルの場合であればクリーンで爽やかで主婦層に好感度の高いタレントを起用することで、ハロー効果が期待できて商品をより良く見せられるうえに、消費者の購買意欲を高めることができます。ダイエットに最適なサプリを紹介するコマーシャルだと、スタイルの良いスレンダーな女性タレントを起用することで購買意欲を高める効果があります。これは、ハロー効果を利用したイメージコントロールです。
仕事でハロー効果を活かすためには、「相手や購入者にどのような印象を与えたいのか」を考えて、それに沿ったアプローチをしてみましょう。アロマやマッサージ器具などの「癒し」の商品を売る場合は、ホームページのデザインを「癒し」を連想させる緑で統一させるなども効果的です。「癒し」を売りにしたいのにホームページが真っ赤で統一されていたら、きっと違和感を感じてしまうはずです。
ハロー効果は自分自身だけではなく、商品やサービスなどでも効果を発揮することが可能です。上手に使って、様々な場面で活かしてみてはいかがでしょうか。
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