セールで買った戦利品・・・あとで後悔するワケは?

セールで買った戦利品・・・あとで後悔するワケは?コラム一覧
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デパートなどでは、続々と夏セールが始まっています。バーゲンセールで戦利品を見つけるのが好きという方も多いかもしれませんね。
でも、買い物した後で、「なんでこんなもの買ってしまったんだろう・・・」と後悔することはありませんか?

ここには、セールならではの落とし穴が潜んでいます。 早速見ていきましょう!  

セールは安心感があるから盛り上がる!?

バーゲンセールで1番盛り上がるのは初日!ですよね。良いものがなくならないように、初日のセールは人だかりが出来ることも多いです。
人だかりの中、へとへとになりながら商品をゲットしたものの、家に帰って、冷静になってみると「なんでこんなもの買ったんだろう」と後悔してしまう・・・。

これは、疲れるのは分かっているのに、観光シーズンに行楽地に出かける心理と似ています。人は、大勢の人と同じことをしていると安心感や連帯感を得やすくなります。スポーツ観戦なども同じ理屈で盛り上がるのです。

また、人混みが気持ちを高揚させるため、セールの場合も、その場にいるとつい冷静ではいられなくなってしまいます。つまり、人混みそのものに人を惹きつける魅力があるということです。

セールで価値観までもが変わってしまうことも!

セールの落とし穴「同調行動」とは?

セールで買い物をした後、後悔することが多いという方は、次の3つの落とし穴にはまっている可能性があります。

1.大勢の人と同じことをしているという安心感、連帯感
2.混雑で起こる気持ちの高揚
3.人が集まっているのは商品に価値があるからだという錯覚

そして、これらの現象を同調行動と呼びます。

セールでたくさんの人間が商品に集まり、しかもそれを購入している場合、時にそれはあなたの価値観までも揺さぶる要因となりえます。

人は、多くの人間が集まっていると、その商品には価値があると錯覚を起こしてしまうのです。
人気商品などで行列ができるのも、これと同じ心理かもしれませんね。  

「同調行動」の実験と証明

アメリカの心理学者アッシュは、実験で人の同調行動を証明しました。その概要は以下の通りです。

実験の内容

8人の実験参加者に、3本の直線の中から事前に見せた直線と同じ長さの線を選ばせました。
実は、この8人のうち、7人はサクラで、実際の被験者は1人だけ。7人のサクラが答えた後、最後に被験者に答えてもらうようにしました。

実験の結果

サクラの7人が全て正解を言った時、被験者は正しく答えました。しかし、複数のサクラに嘘の回答をしてもらった後に被験者に質問をすると、たとえその答えが間違っていると思っていても、サクラと同じ嘘の回答をしてしまいました。
なぜ、こんなことが起きたのでしょうか?

実験の考察

この実験結果は、複数のサクラが嘘の回答をしたことにより、自分の答えに自信を失い、周りの意見に迎合してしまった結果、起こった現象であると考えられています。

反対に、人は自分と集団の答えが合致すると、自分の答えに対して主観的妥当性(※)を持つことができるそうです。そのため、人は同調行動に走ってしまうのです。

(※)主観的妥当性:(特定の情報が)その人にとって真実だと理解できるものであること

同調行動が起こるのはセールだけじゃない!

多数意見や集団のルールによって、個人の意見や態度が変わってしまうのが同調行動です。 この同調行動が起こるのは、セールの時だけではありません。

ここでは、他に同調行動が起こる例についてご紹介しましょう。

行列のできる人気店に並ぶ

仲の良い何人かの友人がおいしいと言っているから、一緒に行列に並んで食べたら本当においしく感じられた(実際はおいしくなかったとしても)ということがあります。

これも、同調行動と言えるでしょう。また、友人と一緒にお店に並ぶという行動そのものが、友人と自分は価値観が似ていると感じさせる要因となります。

会社に染まる

例えば、服装自由の会社にあなたが入社したとします。最初、あなたはカジュアルな格好で出社しました。ところが、他の社員は皆、スーツ姿。あなたは慌てて翌日からスーツで出社しました。

この行動は、見た目が自分だけ違うと会社から目をつけられるのではないかという不安や恐れから来ていると考えることができます。また、自身も一人だけ服装が違うと落ち着かないため、同調してしまうのです。

まとめ~セールで後悔しないためには?~

それでは、セールで後悔しないためにはどうしたら良いのでしょうか?
セールで後悔しないためには、同調行動に引きずられない強い意志を持つことが必要となります。

もし、その自信がない、それでもついつい不要なものを買ってしまうという場合は、そういう場にそもそも行かないというのも一つの方法かもしれませんね。

今回は、セールの落とし穴(同調行動)についてご紹介しました。心から「買ってよかった」と思える買い物ができると良いですね。

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