心理カウンセラーとは?心理カウンセラーになるには?
カウンセリングを通じ、悩みの解決をサポートする仕事!
心理カウンセラーとは、相談者の悩みを聞き、心のケアをしたり、悩みを解決・解消できるようにサポートする職業です。
心に悩みを抱えた方の心理カウンセリングが主な仕事です。相談者本人だけではなく、その家族や関係各所と連携を取り、相談者自身が問題解決できるよう導く役割です。
心理カウンセラーの仕事内容性については下記の記事で詳しくご紹介していますので、参考にしてみてください。
資格は必要?必須の資格はないが、資格の取得がおすすめ!
心理カウンセラーになるために必須の資格はありません。「心理カウンセラー」は職業名を指しており、「心理カウンセラー」という資格は存在しないためです。
よって、スクールや通信講座などで心理学・カウンセリングを学んだ方が、資格を持っていない場合でも心理カウンセラーと名乗ることができます。
そうはいっても、心理カウンセラーとして就職やカウンセリング活動をする際に、採用条件があったり、特定の資格を持っていると就職に有利になったりするケースは多々あります。さらに、資格取得にあたり学んだ知識やスキルは、実際に働くなかで役に立ちますし、何よりも、相談者や契約先クライアントからの信頼・安心にもつながります。
公認心理師
心理カウンセラー唯一の国家資格
公認心理師は日本初の心理専門職の国家資格です。臨床心理士が国家資格になったものではなく、別個の資格です。名称独占の特徴があり「公認心理師」「心理師」と名乗れるのは筆記試験に合格し、国の登録を受けた者だけです。 一度取得すれば生涯有効です。2023年3月時点で69,875名が登録をしています。
公認心理師の仕事や、活躍する分野は下記の表のとおりです。
公認心理師の業務 | 活躍する領域 |
・心理アセスメント ・心理相談 ・心理コンサルテーション ・心理教育 | ・保険医療 ・福祉 ・教育 ・司法 ・犯罪 ・産業 ・労働 |
公認心理師になるにはいくつかルートがありますが、通常「大学4年間+大学院2年間」、あるいは「大学4年間+国の認定施設での実務経験2年」で公認心理師試験の受験資格を得ることができます。
現在は経過措置として5年間の実務経験で受験することもできます(※2022年9月14日までに行われる試験で有効)。業務独占ではありませんが、診療報酬は公認心理師に適応されるため、保健医療機関や福祉機関の今後の募集は公認心理師が中心になっていく可能性があります。
公認心理師資格を目指そうとお考えの方は「公認心理師とは?」のページで受験資格ルートなどを詳しく紹介していますので、そちらも参考にしてみてください。
編集部からのコメント:
待望の国家資格ということで期待値も高そうです。求人情報でも公認心理師の募集は多く、特に病院・学校など公的機関への就職を考える場合はぜひ取得したい資格です。
臨床心理士
民間資格の最高峰
長年、日本の心理業界を牽引してきた臨床心理士は、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間資格です。1988年から認定が始まり、2021年4月現在で38,397名が認定されています。
臨床心理士指定大学院卒業ののち、筆記試験と口述試験をパスし、臨床心理士の資格認定協会に登録することで認定されます。資格は5年ごとの更新制で、学会や研修参加など協会認定のポイントが必要です。
臨床心理士の業務 | 活躍する領域 |
・臨床心理査定(アセスメント) ・臨床心理面接(カウンセリング) ・臨床心理的地域援助(コンサルテーション) ・調査・研究 | ・保健医療 ・教育 ・福祉 ・大学・研究所 ・司法・犯罪 ・産業・労働 ・私設心理相談 |
臨床心理士の活躍領域の幅広さは公認心理師と共通していますが、業務のうち「調査・研究」の項目が公認心理師とは異なっています。公認心理師は実務家としての色合いが、臨床心理士は論文執筆など研究家・学者としての色合いが濃いとも言えるのかもしれません。
現時点では多くの大学院で公認心理師と臨床心理士の両方の受験資格を得られるカリキュラムがあり、社会的信用の強い公認心理師と実績のある臨床心理士のダブルライセンス取得が可能になっています。
臨床心理士資格を目指そうとお考えの方は「臨床心理士とは」のページで受験資格や試験概要などを詳しく紹介していますので、そちらも参考にしてみてください。
編集部からのコメント:
心理分野の最難関資格の一つです。病院での募集のほか、学校のスクールカウンセラーの募集要項に臨床心理士が書かれていることも多くあります。
国家資格ではありませんが、これまでの実績もあり今も心理職の採用に強い資格です。
認定心理士
通信制大学でも取得可能
認定心理士は、大学で心理学などの単位を履修した際に、心理学の基礎的な知識を習得した証として発行される民間資格です。所定の単位を修得すれば試験なしで資格を取得することができます。
通信制大学での資格取得も可能で、社会人の方にも人気の資格です。
詳しくは「認定心理士とは」のページも参考にしてみてください。
編集部からのコメント:
単位を修得すれば試験なしで資格を取得できるのが人気のポイント。
社会人の方には通信制大学での単位修得→認定心理士取得がおすすめです。
メンタルケアカウンセラー®
カウンセリングに必要な知識とコミュニケーション能力を証明
メンタルケアカウンセラー®は、心理学の入門知識およびコミュニケーション向上に求められる基礎能力を証明できる資格です。
協会の指定講座を受講し、課題を一定のレベルでクリアして講座を修了することで資格が授与されます。
メンタルケアカウンセラー®の資格取得を目指そうとお考えの方は『メンタルケアカウンセラー®とは?』も参考にしてみてください。
編集部からのコメント:
生活全般に広く活用できる知識を身につけることができるので、メンタルケアについて知りたい、家族間や職場で周りの人とのコミュニケーションをスムーズにしたい、といった方におすすめの資格です。
メンタルケア心理士®
初心者でも挑戦しやすい!
メンタルケア心理士®は、メンタルケア学術協会が認定する心理の入門資格です。相談援助、および心理カウンセリング、心理療法やコミュニケーション向上に求められる基礎能力を証明できます。
メンタルケア心理士®について詳しくは、下記「メンタルケア心理士®とは?」も参考にしてみてください。
メンタル心理カウンセラー
通信講座で取得可能!
メンタル心理カウンセラーは、心理学・カウンセリングに関する基礎知識や職業能力を証明する資格です。試験に合格することで、資格が付与されます。
受験資格を得るための認定講座は通信講座のみで、資格試験は在宅で受験可能です。受講から受験まで全て自宅で行える点では、家事やお仕事で忙しい方も目指しやすい資格といえるでしょう。
メンタル心理カウンセラーの資格取得を目指そうとお考えの方は「メンタル心理カウンセラーとは?」も参考にしてみてください。
編集部からのコメント:
協会指定のカリキュラムを修了後、資格試験を在宅で受験できるというのは大きな利点ではないでしょうか。
SNSカウンセラー
近年ニーズが拡大する若年層のカウンセリングに有効!
SNSカウンセラーとは、LINEなどのSNSツールを使ったカウンセリングを行うための知識・スキルを証明する資格です。
特定の心理カウンセラー資格をお持ちの方が、2日間の養成講座を受講することで資格を取得できます。
SNSカウンセラーについて詳しく知りたい方は「SNSカウンセラーとは」のページもご参照ください。
編集部からのコメント:
SNSカウンセリングはテキストによる相談が中心です。「初めての人と話すのは不安…」といった方でもカウンセリングを利用しやすく、ニーズが急上昇しています。コロナ禍にもSNSによるカウンセリングが注目されました。
産業カウンセラー
働く人と職場をサポート
産業カウンセラーは「日本産業カウンセラー協会」が認定する民間資格です。産業カウンセラー養成講座を受講した上で試験に合格することで資格を取得できます。人事・労務担当者や管理監督者の方が取得することも多いようです。
長時間労働やハラスメントなど働く人を取り巻く様々な問題の解決が求められる中、産業カウンセラーへの期待はますます高まっています。
詳しくは「産業カウンセラーとは」も参考にしてみてください。
編集部からのコメント:
外部EAP機関(働く人のメンタルヘルスを支えるための企業)の方、管理職、人事担当者のほかにも、キャリアコンサルタントの方や看護職の方が資格を取得するケースもあるようです。
職場のメンタルヘルスが注目されている今、産業カウンセラーの重要性はますます高まっていくでしょう。
NLPプラクティショナー
仕事でも日常でも活用できる
NLPは、日本語で神経言語プログラミングと訳されます。「言葉」と「思考」の作用を体系的に学ぶ実践的な心理学で、心理療法の一つとして用いられています。
著名な政治家やスポーツ選手、コンサルタントなどが取り入れていることで話題を呼びました。カウンセラーにとって有用なのはもちろん、家庭や職場など日常生活でも活用シーンが豊富です。
NLPやNLPプラクティショナーについて、詳しくは「NLPとは?」のページも参考にしてみてください。
編集部からのコメント:
複数のスクールがNLPの資格認定講座を開講しています。資格取得までの期間や受講料などはスクールによって異なる場合がありますので、よく比較検討して選ぶのがおすすめです。
交流分析士(TA)
他者との交流に着目し、自他の理解を深める
交流分析(TA=Transactional Analysis)の哲学を基盤とし、自分と他者を分析して理解する理論を学びます。団体ごとに認定資格が異なります。
詳しく知りたい方は「交流分析士とは?」のページをご参考ください。
メンタルヘルス・マネジメント検定®
仕事や職場でのメンタルケア
メンタルヘルス・マネジメント®検定は、厚生労働省策定を受け、大阪商工会議所と施行商工会議所が実施しています。仕事や職場において必要となる、メンタルヘルスケア関連の知識や対処方法が学べます。
こころ検定
知識ゼロからが段階的にレベルアップ!
こころ検定®はメンタルケア学術学会が主催しています。人の心の動きを理解し、適切に対応するための知識やスキルを学びます。級が分かれており、初心者がレベルに合わせて受験可能です。
詳しく知りたい方は「交流分析士とは?」のページをご参考ください。
どの資格を目指そうか悩んでいる方へ
気軽に資格取得したいなら通信講座がおすすめ!
一方で、民間のカウンセリングルームなどでは公認心理師資格が必須ではないところもあり、たとえば心理カウンセラースクールで民間資格を取得した後、スクール併設のカウンセリングルームで仕事をするといったケースも存在します。
また、人事や管理職の仕事に活かすためにカウンセリングスキルを身に付けたい場合は「産業カウンセラー」などの資格が適しているでしょうし、日常のコミュニケーションのために心理学を学びたいという場合には、ハードルを上げ過ぎずに、手軽に取得できる資格を目指すのも良いでしょう。
心理カウンセラーの知識・スキルを身に付ける目的や、資格取得にかけられる時間などを考慮し、自分の目的に合った資格を選ぶことが大切です。多種多様なカウンセリングスキルや心理療法が存在しますので、資格の内容や、資格取得後どのように活躍できるのかなど、しっかり確認しておきましょう。
気軽に資格取得を目指したいという方、通学が難しい方には、メンタルケアカウンセラー、メンタルケア心理士などの通信講座もおすすめです。
心理カウンセラーの仕事内容・活躍の場については『心理カウンセラーの仕事内容は?』のページでも紹介しています。こちらも参考にしてみてください。
編集部からのコメント:
講座を受講することで受験資格を得られるので、心理学を学んだことのない方、実務経験のない方にもおすすめの資格です。
幅広い活躍の場を求めるなら「公認心理師」
公的機関や医療機関の求人では、応募要項として国家資格の「公認心理師」が記載されていることが多いです。公認心理師は心理ケアに関する唯一の国家資格ということで信頼性が高く、幅広い分野で活躍できます。特に心理カウンセラーとして就職をお考えの方は、公認心理師の資格取得を目指すのがおすすめです。
ただし、公認心理師試験を受験するには「大学4年間+大学院2年間」、あるいは「大学4年間+国の認定施設での実務経験2年」といった厳しい受験資格が必要であり、本格的に心理の勉強にかける時間と費用が必要です。
公認心理師と臨床心理士を同時に目指せるカリキュラムを実施している大学もありますので、両方の資格を取得したい方は確認しておくと良いでしょう。
心理の資格・講座診断を受けてみる!
「心理を学んでみたいけど、どんな資格や講座を選べばいいかわからない…」とお悩みの方向けに、【心理の資格・講座診断】をご用意しました。3つの質問に答えることで、おすすめの心理の資格・講座を診断します。ぜひお試しください。
まとめ
心理カウンセラーの関連資格と運営団体を一覧で紹介!
心理カウンセラー資格は、世間に広く浸透している知名度の高い資格からスクールの独自の認定資格まで様々です。心理カウンセラーの資格と運営団体をまとめてみました。
資格・検定 | 団体 |
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公認心理師 | 文部科学省・厚生労働省 (国家資格) |
臨床心理士 | 公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会 |
認定心理士 | 公益社団法人日本心理学会 |
メンタルケア心理士® | 一般財団法人日本能力開発推進協会 |
メンタル心理カウンセラー | メンタルケア学術学会 |
メンタルケアカウンセラー® | |
SNSカウンセラー | 一般財団法人 全国SNSカウンセリング協議会 |
プロフェッショナル心理カウンセラー | 一般社団法人全国心理業連合会 |
NLPプラクティショナー | 日本NLP協会 ほか |
認定臨床心理カウンセラー | 日本臨床心理カウンセリング協会 |
EAPメンタルヘルスカウンセラー | NPO法人 EPAメンタルヘルスカウンセリング協会 |
学校心理士 | 一般社団法人学校心理士認定運営機構 |
応用心理士 | 日本応用心理学会 |
教育カウンセラー | NPO法人 日本教育カウンセラー協会 |
心理相談員 | 中央労働災害防止協会(中災防) |
ひきこもり支援相談士 | 一般社団法人 ひきこもり支援相談士認定協議会 |
※一部の資格を抜粋して掲載しています。