心理カウンセラーに必要な資格というものはありません。ですので、今日からでも、あなたが「心理カウンセラー」と名乗れば、その時点で心理カウンセラーにはなれます。
ただし、専門的な知識とスキルを求められる心理カウンセラーの業務において、無資格で取引や実務を成立させるのはハードルが高いのも事実です。独学で取得できる資格だけでも取得しておくのが賢明でしょう。
ここでは、独学で心理カウンセラーを目指す方法や、独学で取れる資格について考えていきます。
独学で心理カウンセラーになるには?
無資格でもカウンセリング活動は可能
独学で心理カウンセラーになれるかどうかのご説明の前に、心理カウンセラーに資格は必要かどうかについてご紹介します。
心理カウンセラーとは、心のケアを行う専門家のことを言い、相談者の心理的な悩みを解決するためのサポートを行います。
実は心理カウンセラーを名乗るのに、特別な資格は必要ありません。そのため、心理学の勉強をまったくしていない状態でも「心理カウンセラー」と名乗ることはできてしまいます。
資格が必要とされるケースは多い
とは言え、いくら心理カウンセラーと名乗ったところで、知識やスキルが無ければ顧客の獲得や職場への就職・採用は難しく、仕事にすることはできません。
心理カウンセラーを名乗るのに資格が必要ないのは事実ですが、実質的には心理カウンセリング関連の資格は必須だと思った方がよいでしょう。
取得しやすい初心者向けの資格を取得する
初めて心理を学ぶ場合、初心者向けの資格を選ぶようにしましょう。例えば初心者の社会人が公認心理師や臨床心理士を目指す場合、指定の大学や大学院に再入学が必要になるなど、ハードルがかなり高くなります。
初心者向けの資格や社会人が取得しやすい資格、独学で受験できる(受験資格なし)資格がありますので、それらの資格に取り掛かると仕事と学習の両立がしやすくなります。
独学で取れる心理カウンセラー資格
「こころ検定」「メンタルヘルス・マネジメント検定」は受験資格がない資格ですので、独学でも手を出しやすいです。ただし、試験対策が必要であることには変わりありません。
試験対策を自力で行うか、講座で勉強しないと実力不足で試験を迎えることになるため注意しましょう。
こころ検定
こころ検定はメンタルケア学術学会主催(文部科学省後援)の試験で、こころの問題の理解とその解決策についての知識が身につく試験です。4級〜1級までがあり、4級〜2級は受験資格がありませんので、誰でも受験できる資格です。
独学だとテキスト代で約7,000円程度ですが、通信講座を受講しても12,000円で、しかも3級・4級ダブルで取得できます。コスパ重視の方は下記の講座を検討し、2つの資格を一気に取得した方が今後の活動にも有利になるでしょう。
下記のリンクから、「こころ検定(文科省後援)3級・4級短期対策講座」の詳細と無料パンフレット送付についてご確認いただけます。
ケアストレスカウンセラー
ケアストレスカウンセラーは内閣府認可である財団法人 職業技能振興会が認定・発行している資格で、 何らかのメンタル疾患を抱えた方への対応や予防の啓発など、心のケアができる人材を育成することを目的としています。
18歳以上であればだれでも受験することができるので独学でも受験可能です。
約3ヶ月ほどの学習期間で合格を目指せるので心理学初心者の方にもおすすめの資格です。独学では不安だという方は通信講座を受講するのも良いでしょう。
下記のリンクから、「ケアストレスカウンセラー講座」の詳細と無料パンフレット送付についてご確認いただけます。
メンタルヘルス・マネジメント検定
メンタルヘルス・マネジメント検定は職場のメンバーを管理するリーダーや人事・労務の方に役立つ知識が詰まった試験です。職場のメンバー管理に役立つスキルをお考えの方はメンタルヘルス・マネジメント検定の資格取得を検討してみて下さい。
独学で取れない心理カウンセラー資格
メンタル心理カウンセラー
メンタル心理カウンセラーは、初心者にもっとも人気のある資格のひとつです。試験の難易度は易しく、自宅受験が可能。さらに資格取得費用も3万円程度ですので取り掛かりやすい資格です。
しかし試験の受験要件として定められた講座の受講が必要ですので、独学のみでは資格が取れません。詳しくは下記の関連記事や無料パンフレットをご確認ください。
認定心理士・臨床心理士・公認心理師
認定心理士、臨床心理士、公認心理師は独学のみでは取得できません。これらの資格は大学での単位の修得や大学・大学院の修了が受験要件・資格要件に含まれているためです。
この3つの資格の中で最も取得ハードルの低い認定心理士は社会人でも通信制大学での勉強・取得が可能です。
産業カウンセラー
産業カウンセラーは一般社団法人日本産業カウンセラー協会が運営する民間資格です。民間資格ではありますが、数ある心理カウンセラー関連の資格の中で、知名度の高い資格の一つといえるでしょう。
働く人が心身ともに健康を維持しそれぞれの個性と役割が十分に発揮されるように、従業員へのカウンセリングや職場のメンタルヘルス対策など、個人と組織の双方に働きかけて支援していきます。
産業カウンセラーの資格試験を受験するには産業カウンセラー養成講座を修了しているか、大学で所定の単位を取得していなければならないので、独学で受験することはできません。
スクールカウンセラー
スクールカウンセラーは学校現場で児童・生徒の心のケアを行う専門家です。
スクールカウンセラーは職業の名前であり、スクールカウンセラーという資格があるわけではありません。ただ、スクールカウンセラーの採用条件は、公認心理師や臨床心理士の資格保持者であることがほとんどです。
そのため独学でスクールカウンセラーになることは難しいでしょう。
独学のメリット
資格は知識とスキルの証明になる
独学で取得したとしても、資格を持っていることは心理に関する基礎知識やカウンセリング技術を修得していることの証明になります。
心理カウンセラーの職場はさまざまですが、ほとんどの職場で有資格者が求められます。医療・福祉の領域でも資格を採用条件としているところが大半です。
フリーランスで心理カウンセラーとして活動する場合も資格は相談者の安心材料になります。
最初から上級資格に挑む必要はありません。まずは比較的難易度の低い資格に挑戦してみて、その後もっと学びたいと思った時に改めて目指すというのも一つだと思います。
費用の負担が軽い
独学を検討する方の多くは、「講座を受講するとお金がかかるから」と考えているのではないでしょうか。独学の大きなメリットは、資格取得にかかるコストの削減です。講座の場合は数万円の受講料がかかるのに対し、独学の場合はテキスト代の数千円程度です。
独学か受講か、迷っている方は「資格取得までの時間をコストと見たときの費用対効果」「資格取得費用は何ヶ月分の給与で元が取れるか」も考えてみましょう。多くの講座は初任給でまかなってもお釣りがくる受講料です。
必要な単元だけ勉強できる
必要な単元や好きな単元の勉強に集中できることも、独学のメリットです。講座を受講すると試験の合格に必要な単元に比重を置いて勉強します。しかし、独学であれば自分が就職や開業のために勉強したい単元を重点的に勉強できます。
学習スケジュールも、自分の思い通りにカスタマイズできます。ただし、自分のやりたい勉強のみに没頭していると、実務や試験に必要な分野が身に付かずに合格や就職が先延ばしになる危険性もありますのでバランスに注意しましょう。
独学のデメリット
独学のみだと客観的な評価を得にくい
独学だとしても、資格はあなたの心理カウンセラーの知識・技量を客観的に示す指標になります。就職や取引の際に相手はがどの程度のレベルなのかを想像しやすいでしょう。
しかし、「独学で心理について勉強しました」という口頭のみでは、どの程度のレベルであるのか、本当にそのレベルに達しているのか、確かめにくいのです。結果として、資格をもっているライバルに契約や採用が流れてしまうリスクがあります。
習熟度やモチベーションの管理が難しい
独学で学習を行う場合、ベンチマークとする指標を見つけないと自分のレベルを客観的に捉えることが難しくなります。あるいは、1人で進めているため自分のレベルの確認を忘れてしまいがちになることもあります。
また、周りの受講生や講師がいないため、やる気や学習時間も自分の裁量で左右されます。モチベーションの管理ができず途中で学習が止まってしまう人も案外多いものです。
独学に向いている人・向かない人
独学に向いている人
学習計画を立てたり状況に応じて修正できたりするのが得意な人、とにかく安く勉強したい人は独学で学習を進めてみても良いと考えます。学生の頃、テスト勉強の計画や実行が得意だった方は独学に向いている可能性が高いです。
ポイントは、学習の計画や修正を実行すること、そして学習した内容を仕事で活かすことです。独学で心理カウンセラーの活動開始を目指す際はこの2点を意識しましょう。
独学に向いていない人
反対に、学習計画の実行が苦手な人や独学した内容を就職につなげる自信のない人は、資格や講座を検討しましょう。資格であれば資格証や合格証、講座であれば修了証など、客観的な証明書類が発行されます。
計画倒れで勉強が止まったり、費用を浮かせて勉強しても仕事が得られなかったりしてはもったいないですよね。
「仕事につなげる」というゴールを達成するために、「独学」「講座」どちらが自分にとってコストパフォーマンスが良さそうかを考えて判断してみてください。
もし、講座を検討する場合は下記のリンクから無料で複数の講座のパンフレットを比べることができるのでご活用ください。
心理カウンセラー資格の勉強法
本や参考書で勉強する
もっとも一般的なのは本や参考書を読んで勉強する方法です。
受けたい資格が決まっているなら、その資格を認定している協会から公式の参考書が出ていないか確認してみましょう。公式の参考書であれば試験範囲が網羅されていますので無駄な勉強をせずに済み、効率的に勉強することができます。
公式の参考書がない場合は、学びたい心理学のジャンルを調べてから図書館や書店で資料を探しましょう。学びたいジャンルが子どもの心理学なのか、産業心理学なのか、あるいはスポーツ心理学なのかによって学ぶ内容は大きく異なります。
ネットの口コミを参考にするのもよいでしょう。
試験の過去問を解く
試験対策として有効なのは試験の過去問を解くことです。
過去問を解くことで、どの分野からどれくらい問題が出るかといった傾向が分かります。また、自分の得意・不得意もわかりますので、自分が勉強するうえで「どの分野にどれくらい時間を割くか」という配分に役立てることができます。
過去問はなるべく最近のものを解くようにしましょう。時間が経つと出題範囲や傾向も変わっていることがあるためです。
また、直近1年だけではなく過去5年前後の過去問を解くことをおすすめします。
セミナーや公開講座に参加する
各団体が開催するセミナーや大学の公開講座に参加する方法もあります。1回のセミナーで試験の範囲を網羅できるわけではありませんが、心理学の基礎を身に着けることで、その後の学習が定着しやすくなります。
また、独学ではモチベーションが続かないという方は、時にはセミナーなどを受講することによってメリハリのある学習ができます。
大学の「科目等履修生」「聴講生」になる
大学の「科目等履修生」「聴講生」という制度を利用すれば、一般の学生に混じって大学で心理学の講義を受けることができます。
お金がかかる、日中に学校に通わなくてはならない、手続きや面接による審査があるなどのデメリットがありますが、正規の学生になるのに比べて安い費用で大学の講義が受けられるは大きなメリットですね。
大学の図書館や自習室も使えるので勉強が捗ります。
通信講座を利用する
通信講座を利用して勉強するのもよいでしょう。
通信講座のよさは自分で教材を選ばなくて良い点にあります。特に心理学を初めて学ぶ人は「何を学んだらいいかわからない」「どんなテキストを選べばいいかわからない」といった壁にぶつかり、学習をする前の下調べや教材選びで時間を取られてしまいます。
その点、通信講座では、送られてくる教材を順番にこなしていけば体系的に勉強を進めることができるので、初めての方でも安心です。
また、自分の好きな時間に自分のペースで勉強ができるので、忙しい社会人や主婦の方でも空いた時間に勉強をすることができます。
忙しい社会人には通信講座がおすすめ!
「心理カウンセラーに興味はあるけど、大学に通うのはハードルが高い…」
「まったくの独学だと、一人で勉強を継続できるか不安…」
そんな方には、通信講座で心理系の資格を取得することをおすすめします。
正直なところ、これらの資格を取得しても、学校や病院などで心理カウンセラーになることは難しいでしょう。しかし、通信講座で資格を取得し、心理学の知識やカウンセリングの技術を身につけることで、心理カウンセラーとして開業できる可能性は高まります。
副業として、心理カウンセラーという道を考えてみるのも良いかもしれませんね。
通信講座のメリット
通信講座であれば、通学するよりも費用が安く抑えられたり、資格取得までの期間も短くできたりするので、忙しい社会人の方でも自分のペースで勉強をすすめることができます。独学での資格取得と
自宅学習だと途中で挫折しないか心配という方も、レポート提出や添削などを通して学校とのつながりもあるので、最後まで取り組めるのではないかと思います。
まだ、はっきりとは決めていないけれど「心理カウンセラーに興味がある」という方は、通信講座で心理学を学んでみるのはいかがでしょうか。
そして学ぶうちに、より知識や技術を深めたいと思ったら、本格的に心理カウンセラーになることも視野に入れてみると良いと思います。
通信講座で取得できる心理系資格をご紹介
○メンタル心理カウンセラー講座
うつ病などメンタルヘルスの基礎知識や心理療法、カウンセリングの技法などがまんべんなく習得できる講座です。ストレスケアについても学べるので、カウンセリングに興味のある方のほか、現在ストレスが溜まっているという方にもおすすめです。
資格認定団体の公式ホームページによると、メンタル心理カウンセラーの資格を取得することで、自宅の一室などを利用してのカウンセリングサロンを開業することも可能だそうです。
◇標準学習期間・・・2ヶ月
◇費用・・・39,600円→ネットからのお申し込みで28,600円(税込)
○メンタルケアカウンセラー®
「カウンセリングとは?」「心の病気とは?」など心理学の基礎的な部分からじっくりと学べる講座です。心理学を1から学んでみたい方におすすめです。人間関係を円滑にするためにはどうすれば良いのか、コミュニケーションスキルを身に付けるためにはどうすれば良いのかなど、日常生活にも役立つカウンセリング方法が満載です。
◇標準学習期間・・・3ヶ月
◇費用・・・39,000円(税込)
○メンタルケア心理士®
メンタルケア心理士®、先に紹介したメンタルケアカウンセラー®上位資格にあたります。こちらの講座もある程度心理学の知識がある方向けです。
現代の心理学に至るまでの歴史や、神経と脳と心、身体と精神症状の関係、カウンセリングの初歩などを学習します。「心理学やカウンセリングの知識を深めたい」という方はメンタルケアカウンセラー®併せて資格を取得するのも良いでしょう。医療・福祉分野で働いている方にも役立ちます。
◇標準学習期間・・・4ヶ月
◇費用・・・49,000円(税込)
ここで紹介したもの以外にも様々な講座があります。自分に合った講座を探してみましょう。
通信講座
【通信】
東京カルチャーセンター
子どものこころと体の発達を学ぶ【幼児心理アドバイザー養成通信講座】
【通信】
産業能率大学 通信教育課程
認定心理士対応の通信制大学!卒業率に自信!
【通信】
がくぶん
あなた自身の悩みも解決できる【メンタルケア・アドバイザー養成講座】
オンライン講座は通学と通信両方のメリットが得られる
通信講座の他にオンラインでLIVE受講できる講座も増えています。
通信講座と違って、授業をオンラインでみんなで受けるので、同じ目的を持つ仲間と一緒に勉強している感覚があり、モチベーションの安定にもつながります。
また、双方コミュニケーションが取れるオンライン授業もありますので、その場で講師に質問が可能です。
一人でコツコツ勉強するのは苦手など、通信講座に迷いを感じている方はオンライン講座も視野にいれてみてはいかがでしょうか。
心理カウンセラー関連のオンライン講座をご紹介
◯認定心理カウンセラー資格取得 カウンセリング実践力養成講座
通常の通学講座をオンライン化した講座で初心者から実践力をつけたい方までカバーしています。話題のSNSカウンセラーを目指す方もこの講座からスタートできます。
「演習」・「実習」を重視した「支援現場で通用する学び」をオンラインでも実現し、しっかりと対人支援力が得られる講座です。
カウンセリングの基本スキルから各種療法までを3期に分けて学習します。通期で学ぶのに不安がある方は1期のみの受講も可能です。
支援現場で活躍する公認心理師、臨床心理士である講師による丁寧な指導は、実践的でわかりやすく初心者におすすめです。
◇標準学習期間・・・5か月~10か月
◇費用・・・1期:102,300円、2期:99,000円、3期:99,000円、全期セット:278,300円
講座の詳細はこちら
カウンセリング実践力養成講座の詳細
◯EAPメンタルヘルスカウンセラー養成コース
EAP(従業員支援プログラム)のプロを育成する初心者対応カリキュラムがあります。従業員を支援するメンタルヘルスカウンセラーとして活躍したい方におすすめの講座です。
個人に対する心理カウンセリングだけではなく組織に対するEAPコンサルティングスキルも学べる事が特長です。
◇標準学習期間・・・5か月
◇費用・・・437,800円
まとめ
独学で心理カウンセラーになるのは可能かどうかについてご説明してきました。
日常生活に心理学やカウンセリングの知識を取り入れたいという場合は、独学で心理カウンセリングについて学んでみるのも有意義でしょう。しかし、取得できる資格が限られていたり、実践的な事が学べなかったりするので、独学で心理カウンセラーを目指すのはおすすめできません。
「絶対に心理カウンセラーになる!」という明確な意思をお持ちの方は、専門講座で理論と実践をしっかり学んだ方が実務に活かすことができると思います。
また、公認心理師や臨床心理士を取得すると、医療や福祉の現場でも活躍することが可能になるため、その領域でカウンセリングを行いたい方は時間をかけてでも取得を目指しましょう。
心理カウンセラーとして開業したい、心理カウンセラーに興味はあるけど迷っている、まずは気軽に始めたい、という方は通信講座やオンライン講座で学習を始め、資格を取得するのが良いでしょう。
自分の目的に合った資格や講座を探す参考にしてみてください。