認定心理士と臨床心理士の違いとは?

認定心理士と臨床心理士の違いとは? 認定心理士
認定心理士

認定心理士と臨床心理士はいずれも心理の民間資格です。資格取得に大学あるいは大学院の卒業が必要であることなどから似たような資格と思われることもあるようですが、実際には資格取得の方法や難易度などが大きく異なっています。

このページでは認定心理士と臨床心理士の違いについてご紹介します。

認定心理士と臨床心理士の違い

認定心理士と臨床心理士の主な違いを簡単に説明すると、

大学の卒業や単位修得が必要なものの比較的資格を取得しやすいのが認定心理士

指定された大学院の卒業や試験合格が必要な難関資格であり、心理職としての就職に有利なのが臨床心理士です

それでは、認定心理士と臨床心理士の違いについて詳しく見ていきましょう。

資格取得の方法の違い

認定心理士は試験不要!

認定心理士4年制の大学にて必要な単位を修得することで資格を取得できます。試験はなく、申請のみで資格取得が可能です。

臨床心理士は筆記試験あり!

臨床心理士の資格を取得するには、基本的に指定大学院あるいは専門職大学院を修了する必要があります。大学院の修了後に筆記試験、口述面接試験による資格審査を受け、合格することではじめて資格を取得できます。

資格取得の難易度の違い

認定心理士は比較的取得しやすい

認定心理士は所定の単位を修得すれば資格を取得できます。

4年制大学の卒業が必要ということで決して気軽に取れる資格ではありませんが、試験はなく申請のみで資格を取得できるので、単位修得のための学習時間を確保できれば難しい資格ではありません

認定心理士は通信制大学で資格を取得することも可能です。

臨床心理士は受験資格のハードルが高い

臨床心理士指定大学院または専門職大学院を修了した上で試験(資格審査)を受ける必要があります。どこの大学院でもいいわけではなく、特定の大学院で専門的な学習と実践経験を積むことが求められるということです。

また、臨床心理士試験(資格審査)の合格率60~65%程度。一見、合格率は高いように見えますが、受験者は指定大学院で専門的な教育を受けるなど、受験資格を満たした方のみです。その中の4割弱が落ちていることを考えると厳しい試験だといえるでしょう。

資格更新制度の有無

認定心理士には資格更新制度はなく、資格が期限切れになったり無効になったりということはありません。
一方、臨床心理士には5年ごとの資格更新制度があります。学会発表や研修参加などの要件を満たし、資格の更新手続きを行うことで資格が更新されます。

就職先と仕事内容

認定心理士は教育や福祉の仕事で役立つことも

認定心理士は心理学の基礎を修めたことを証明する資格であり、この資格だけで就職につなげるのは難しいところです。

しかし、一部では発達障害などをもつ子どもを支援する施設・教室で認定心理士の募集があったり、看護や介護・福祉の仕事などで認定心理士に資格手当が支給されたりといった例もあります

認定心理士の仕事や就職先については下記のページでご紹介しています。

臨床心理士は病院、学校など幅広く活躍が可能

臨床心理士は資格の取得や維持が難しい分、信頼性も高く、心理職としての就職に断然有利です。特に病院や学校へ心理職として就職するには公認心理師あるいは臨床心理士の資格が必要と言われています

臨床心理士の就職先としては、病院・クリニック学校のほかにも大学・研究所、福祉施設、労働・産業分野、司法・法務・警察関連心理相談室(カウンセリングルーム)などが挙げられます。

臨床心理士の就職先については下記のページでご紹介しています。

認定心理士と臨床心理士、どちらの資格を取得するか迷ったら

プロ志向で心理職・専門家としての就職を目指す方には臨床心理士の資格取得がおすすめです。

臨床心理士の受験資格と合わせて、国家資格である公認心理師の受験資格にも対応した大学・大学院もありますので、興味のある方は確認しておくといいでしょう。

しかし、臨床心理士の資格取得は険しい道です。臨床心理士の資格取得を迷う場合や、心理職への就転職までは考えていないけど心理学の知識を身につけたいという場合は、認定心理士に挑戦するのがおすすめです。

認定心理士は通信制大学での取得も可能であり、社会人の方が仕事と両立して資格を取得する例も多くあります。

以下のページで認定心理士の資格を取得できる大学をご紹介していますので、興味のある方はご参照ください。

認定心理士から臨床心理士へのステップアップを目指す場合も、心理学の基礎が身についていれば余裕をもって学習を進められるでしょう。

認定心理士、臨床心理士の資格取得ルートについてはそれぞれ下記のページで詳しくご紹介しています。

まとめ

認定心理士と臨床心理士の違いについて説明してきました。違いをまとめると、下記の表のようになります。

認定心理士臨床心理士
資格の種類民間資格民間資格
資格取得について大学の卒業が必要大学院の卒業が必要
(指定大学院あるいは専門職大学院)
試験なしあり
資格更新制度なしあり
難易度☆☆☆☆☆☆☆☆
心理職への就職☆☆ ☆☆☆☆☆

「心理資格ナビ」編集部としては、初心者の方には認定心理士がおすすめで、プロの心理職を目指したい方には臨床心理士がおすすめです。


初心者向けの資格には他にも「メンタル心理カウンセラー」など、他にも様々な資格が用意されているので、本サイトで自分にあった資格を見つけてくださいね!

参考サイト
認定心理士について:公益社団法人 日本心理学会(https://psych.or.jp/)
臨床心理士について:公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会(http://fjcbcp.or.jp/)

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